「ヨーグルト新時代」へ 明治が機能性で攻勢

「ヨーグルト新時代」に向け、明治が機能性ヨーグルトで攻勢をかける。下期の“超大型”目玉商品と位置付け、10月11日から量販などで発売している「明治脂肪対策ヨーグルト」(112g、税込143円)、「同ドリンクタイプ」(112㎖、税込143円)を11月8日からコンビニエンスストアでも発売開始したのに続き、12月6日(宅配は12月上旬から順次)から「明治プロビオヨーグルトLG21」を機能性表示食品としてリニューアル発売する。「明治プロビオヨーグルトR-1」に使用されているR-1乳酸菌についても、新型コロナウイルスの感染抑制効果を学会で報告するなど、ヨーグルト新時代に向けた動きが加速してきた。

「明治脂肪対策ヨーグルト」シリーズは、「肥満気味の方のお腹の脂肪を減らす」というヘルスクレームをストレートに訴求した。体脂肪の蓄積を抑制することで肥満気味の方のお腹の脂肪を減らす機能をもつ「MI-2乳酸菌」を使用した機能性表示食品。砂糖不使用タイプのため、砂糖を気にすることなく毎日続けることができる。

「流通の反応はすごくいい。早期の市場定着を目指す」(同社)と期待は大きかったが、量販での発売開始から1か月経過時点での評価は「商品発売イベントやテレビCMによって、メディア露出やSNSでの話題化が図れており、早期の認知拡大が実現できている。出足は好調」(同社)とし、CVSでの展開拡大効果にも期待を寄せる。

2000年3月に発売した「明治プロビオヨーグルトLG21」は今回、発売以来となるリニューアルを実施する。商品名にも使用されている「LG21乳酸菌」は、胃に着目して選び抜いた特別な乳酸菌。酸に対する耐性が高く、強い酸性条件下である胃でも生存して増殖することが可能。胃細胞への付着性が高いという胃内環境で個性的な特長を持つ。

今回のリニューアルで機能性表示食品に生まれ変わった。機能性表示食品の届出表示は「本品にはLactobacillus gasseriOLL2716(LG21乳酸菌)が含まれます。LG21乳酸菌は一時的な胃の負担をやわらげる機能が報告されています。」。商品パッケージにも「LG21乳酸菌が一時的な胃の負担をやわらげるのを助ける」というキャッチコピーを記載。同商品の機能をパッケージからも訴求していく考えだ。

さらに注目されるのが「明治プロビオヨーグルトR-1」に使用されている乳酸菌「OLL1073R-1株」(以下、R-1乳酸菌)だ。R-1乳酸菌で発酵したヨーグルトはこれまでに、風邪罹患リスク低減効果やインフルエンザウイルスに反応する唾液中IgA抗体量の増強効果などが確認されているが、11月8日に開催された「第18回日本食品免疫学会学術大会」では、ヒト肺細胞を用いたモデル試験でR-1乳酸菌が産生する多糖体によるヒトコロナウイルス229E、新型コロナウイルスの感染抑制効果が報告された。

その可能性については今後の詳細な検証を待つことになるが、新型コロナウイルスを含めた各種コロナウイルス株に対して効果を発揮することが期待される。新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザのダブル感染が懸念される状況下、同研究報告は大きな注目を集めそうだ。