東京歳暮商戦 順調な出足期待高まる 店頭さらに回復傾向

コロナ禍3年目の歳暮商戦がスタートした。政府は新たな国内観光喚起策や水際対策の大幅な緩和を打ち出し、街の様子も昨年とは大きく変化している。今年はコロナで大きく伸びたECの出足は好調、一部店舗では昨年以上に店頭回帰の傾向もみられるなど、ECと店頭ともによいスタートを切った。

今期中元から店頭面積を大幅に縮小しECに注力している松屋銀座は、中元に引き続きECの立ち上がりが非常によく、10月も好調に推移している。そごう・西武のECは前年をやや上回り、人流回復による店頭の大きな伸びに期待を寄せている。日本橋三越本店は、初日のEC立ち上がりはやや前年を割ったものの、10月から徐々に盛り返しを見せ、店頭は初日から大盛況となった。

ここ最近の百貨店業績は、昨年の緊急事態宣言下での営業制限の反動に加え各社の催事も回復基調にあり、特に食品や高級時計などのラグジュアリーカテゴリーが好調に推移。来店者も徐々に増加しコロナ以前の活気を取り戻しつつある。

日本百貨店協会によると、9月の百貨店東京地区は、売上高、入館者数ともに二ケタ増と大きく上回った。10月中間段階の商況は約23%増で推移し、消費増税の影響もあるが回復基調は続いている。

昨年は帰省できない代わりに贈る“帰歳暮”が話題となるなど、コロナ禍を受けてカジュアルギフトがさらに加速。この時期だけのとっておきグルメを自分用に購入する人に向けた商品や、値上げが続く中で実用品の提案を強めるなど、各社多彩なラインアップで歳暮商戦に挑んでいる。