ニップンは10月26日、都内で「第1回ニップン ヘルスケアセミナー」を開催した。同社では3月まで「アマニセミナー」として、アマニを中心とした機能性素材の紹介や研究報告などの情報を提供してきたが、「ヘルスケアセミナー」として内容を刷新。新たな経営理念に基づき、人生100年時代を生き抜くために必要な食や運動に関する情報を伝える。
冒頭、前鶴俊哉社長は「当社では『人々のウェルビーイング(幸せ・健康・笑顔)を追求し、持続可能な社会の実現に貢献します』という新たな経営理念を掲げた。当社にとって食品を安定的に供給することはもちろん、健康という要素をイメージできるようにこのような文言にした。当社のヘルスケア商材の多くは食品廃棄物に近い材料から有用成分を抽出し、機能性素材として商品化している。お客様の健康に向き合うことは当社のビジネスにとって大切なこと。外部の先生方の知見も皆さんに共有していただきたい」と話した。
セミナー第1部では同社のアマニ関連商品やオリーブ果実マスリン酸の紹介と、事業の方向性について報告。コロナ禍で高齢者の筋肉量が減少し寝たきりに至るケースや、血糖値上昇などの事例に触れた上で、これらを防ぐための3つの柱を紹介。たんぱく質やオメガ3脂肪酸などを含む「食事」、楽しく続けられる「運動」、身体的・精神的「フレイル予防」の重要性を説いた。
第2部では、山梨学院大学スポーツ科学部教授で陸上競技部顧問の上田誠仁氏と、福岡女子大学客員教授の村上祥子氏が登場。上田氏は中高年の健康維持について、自身の経験やスポーツ科学の見地から解説した。フレイル・サルコペニアを予防するには適度な運動が必要だと指摘し、「日常生活のスタイルを変えずに実行可能な運動が望ましい。家事をしながら、歯磨きをしながらの『ながら運動』が長続きする」と紹介した。
一方、村上氏は「運動の前後に食べる食」というテーマでレシピを披露。特に40代からの老化予防をテーマに、ニップンの「オリーブ果実マスリン酸」やアマニ関連素材を用いた調理メニューを提案した。聴講者からはワンハンド食の試食も好評だった。