納入期限 1/2に早期統一を

食品ロス削減や2024年問題の解決に向けて、商慣習見直しの機運が高まってきた。流通段階の食品ロス発生の一因である、1/3ルールの見直しでは納品期限を緩和した小売事業者数は10月末で243社。1年前に比べて57社増加した。

▼賞味期限の年月表示や日まとめ表示など、賞味期限表示の大括り化に取り組む企業数は268社で、昨年度から45社増加。賞味期限延長に取り組む事業者も179社と、業界全体で食品ロス削減に向けた取り組みは着実に進む。

▼だが物流の2024年問題が目前に迫る中で早期に克服すべき課題は多い。1/3ルールの見直しでは、納品期限を緩和した企業の売上高を合計すると食品小売全体の半数を超えた模様だが、バラつきがあるのも現状。あるメーカーでは小売業ごとに40もの納品期限ルールがあり、物流段階の負荷が生じる一因になっている。業界として「1/2ルール」への統一は待ったなしだ。

▼サプライチェーン全体の課題解決には、製配販三層の連携が不可欠。昨年にはメーカー・卸・食品小売団体によるフード・サステナビリティ・プロジェクト会議が発足した。食品ロス削減と持続可能な物流の構築に向けて、より一層の取り組み進展が期待されている。