旭食品 外食・業務用事業を強化 アフターコロナへ積極策

旭食品はアフターコロナを見据え、外食・業務用卸事業の積極拡大を進める。先月、都内で開催した関東旭友会で、竹内慎副社長が外食・業務用事業を展開するグループ各社の概況と今後の取り組み方針を説明した。

製造機能では、昨年秋にデリカサラダボーイの水産工場を大倉に移管、大倉えひめ工場として国内の生産体制を強化した。水産加工品を製造するベトナムのサクラフードとも連携し、「シーフードミックス」「むきえび」など自社商品の開発・販売を加速。新たな販路として量販店の水産売場や惣菜売場での展開を広げる。

今後は全国の主要都市に営業所を構える大倉のネットワークと旭食品、トモシアHD各社とも連携して外食チェーン向けの取り組みを拡大、量販やドラッグストアの水産・惣菜売場での冷凍水産加工品の販売をさらに強化する。

なお、大倉の業績はコロナで一時、売上高100億円を割り込んだが、直近ではコロナ前の水準を上回り、今期は142億円の着地を見込んでいる。

同じくグループ会社で東京・豊洲市場の水産卸・かいせい物産も、急ピッチで業績回復が進んでいる。「主力の居酒屋業態は厳しい状況が続いているが、高級寿司業態向けの取引拡大や新規開拓が奏功し、今期はコロナ前の売上高を上回る見通し」(竹内副社長)。今年8月には東京・足立市場に事務所を開設し、都内北部・埼玉・千葉エリアの新規開拓も進め、さらなる事業拡大につなげる。

また、25年度の売上高500億円を掲げる中京エリアでは、旭食品名古屋支店は低温チルド強化、大倉(名古屋支店)は地域の飲食店向けに加え地元量販・ドラッグの水産売場・惣菜売場向けの提案を強化。静岡のヤマキ、北陸のカナカンとも連携し同エリアの開拓を進める方針を示した。