イオンリテールのイオン天王町ショッピングセンター(神奈川県横浜市)が18日、グランドオープンした。午前9時の開店前には2千人ほどが列をなし、初日の来客数は約4万人を記録した。
同SCの歴史は、1977年のニチイ天王町ショッピングデパートまで遡る。名称を2度変更しながら43年間営業し、前身のイオン天王町店が20年2月に閉店した際は惜しむ声が多数寄せられたという。
グランドオープン式典で、来賓の出口洋一保土ケ谷区長も「イオン、おかえりなさい!」と祝辞を結んだ。これらの声を受け、イオンリテールの井出武美社長はオープン式典後の記者会見で「地域社会への貢献」を掲げるイオンの基本理念を引きながら「地域に根ざした信頼・愛着を受け継いで精いっぱい努力したい」と決意を示した。
イオンスタイル天王町店とともにSCを構成する42の専門店には、保土ケ谷区に本社を構える「横浜茶房 丸秀園」をはじめとした地元企業が複数出店。イオンスタイルの売場には、横浜市発祥のブランド豚「はまぶた」や旧店から拡充された横浜市産野菜のコーナー、横浜市野毛に店舗を構える老舗洋食店センターグリル監修の「横濱ナポリタン」など、横浜産・横浜発の食材や商品を幅広く取り揃えている。地域の情報拠点を目指し、イオンスタイル内に80あるデジタルサイネージには、特売や専門店の情報だけでなく地域行事や地元商店街の紹介なども映し出される。
環境保全にも取り組む。グランドオープンに先立ち1日には、イオンリテールは地元住民らと保土ケ谷区の「区の木」であるシイノキなど1千400本の苗木を植樹し、今後も地元商店街との連携イベントを予定している。