埼玉に生麺メーカー集結(全麺連) 初の中華麺コンペ表彰も

生麺類の製造者で組織する全国製麺協同組合連合会(全麺連)は、第62回「全国製麺業者埼玉大会」をさいたま市内のホテルで開き、全国各地から集まった製麺業者をはじめ多数の来賓が出席した。鳥居憲夫会長は「一連のコスト高で市場を取り巻く環境は大変厳しいが、われわれは主食である麺の安定供給を果たさなければならない。業界の中小企業同士が絆を深め、組織の力を再認識する場になれば」とあいさつした。

式典に先立ち、ラーメンデータバンクの大崎裕史会長を迎え、「みらいのラーメン~半世紀の食べ歩きを経て~」をテーマに講演会を実施。「日本のラーメンは約100年かけて発展してきたが、パスタの約700年に比べると歴史がまだ浅い」とし、「パスタはスパゲッティ、リングイネ、カッペリーニ、マカロニ、ペンネなど形状が豊富。ラーメンも将来的に麺の形状改革が進むのでは」と予測した。

直近の動向では、冷凍用・通販用・デリバリー用などの市場が急成長していることを挙げ、多様化への対応が重要と強調。大手流通や麺メーカーと共同開発した経験も踏まえ、「本当に美味しいラーメンを届けるにはまだ課題がある。冷凍や通販を前提とした商品開発が必要」と話した。

農林水産省大臣官房長賞の西山製麺 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
農林水産省大臣官房長賞の西山製麺
次いで式典を行い、このほど国内産小麦の振興を目的に初開催された生中華麺の品評会「ラーメンコンペティション日本2022」の表彰式を実施。全国の製麺メーカーより出品された99品の中から、『農林水産省大臣官房長賞』に西山製麺(北海道)の「北海道小麦の生ラーメン」、松本製麺所(東京都)の「麦四重奏」、『製粉協会会長賞』に成美製麺(石川県)の「生中華麺(White)」、丸菱製麺(滋賀県)の「つけ麺(滋賀産小麦使用)」、『日本食品衛生協会理事長賞』に新潟県なまめん工業協同組合(新潟県)の「柿渋麺」、オオタメン(大阪府)の「つけめん平打4番」、『ラーメン評論家賞』に菅野製麺所(埼玉県)の「もち小麦手もみ麺」などを選出。『農林水産省大臣官房長賞』の表彰には大角亨関東農政局長がプレゼンターで登壇し、西山製麺らに賞状を贈った。

本紙に対し、同社の西山隆司社長は「受賞は驚き・喜びとともに、北海道産麦の地元メーカーとして身の引き締まる想い。麺は当社ならではの多加水製法により、道産小麦の特長である甘み・香りを強く感じられる味わい」などと語った。