スティックコーヒー(スティックミックス)市場で“コーヒー強め”の味覚ポジションに開拓余地のあることがネスレ日本の「ネスカフェ ゴールドブレンド ミックス」と「ネスカフェ エクセラ ミックス」の販売動向から浮き彫りとなった。
インスタントコーヒーだけを個包装したブラックコーヒーを除くスティックコーヒーは、主にクリーミングパウダー・砂糖・インスタントコーヒーで構成され、女性層をメインに支持を集めている。
そうした中、コロナ禍の在宅時間の増加で男性層の新規ユーザーがスティックコーヒーに流入。一日の中でシーンに合わせてブラックとラテを飲み分けされる中で、コーヒー強めのラテニーズが発生し「ネスカフェ ゴールドブレンド ミックス」と「ネスカフェ エクセラ ミックス」がその受け皿となった。
2品の販売動向は上昇基調にあり22年1-6月も「スティックカテゴリーの中で大きく伸長した」(ネスレ日本)。
好調要因については「コーヒー感のあるスティックミックスが男性層を中心としたコーヒー愛好者に支持されていることや、引き続き在宅勤務をする人が増えている中で、家でコーヒー感のあるミックス製品を飲む機会が増えていることが要因」との見方を示す。
これに対し味の素AGF社は、男性によるスティックコーヒーの購入率が拡大していること受けて「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドから新シリーズ「ちょっと贅沢な珈琲店」スティック カフェラテ を立ち上げ9月1日から全国で発売している。
メインターゲットは、コロナ禍で在宅時間が増加した20~40代の働く男性。AGF調べによるとスティックコーヒー市場でユーザーに占める男性の割合は3割弱と低いがコロナ禍の在宅時間の増加で拡大傾向にあるという。
「コロナ前から男性のスティックユーザーがじわり増え始め、コロナ禍の在宅時間の増加で明らかに男性が増えた」(AGF)とみている。
これを受け新商品の開発にあたっては「コロナ禍、この増加する男性層が求める特有のニーズに対して、弊社が有するブランドのなかで最も的確にお応えできるブランド」として「ちょっと贅沢な珈琲店」に白羽の矢が立った。
こうして発売された新シリーズは流通からの評判も高く、計画を上回る数の店舗に配荷されている。
「『ちょっと贅沢な珈琲店』ブランド愛好者からの流入も見据え、営業部門の提案により一部の売場ではレギュラーコーヒーや個包装タイプのインスタントコーヒーと一緒になった『ちょっと贅沢な珈琲店』のエンド展開も実施している。定番の売場については、スティックのコーヒー感が強いゾーンや個包装タイプのインスタントコーヒー近辺に並べていただくように提案している」と語る。
コミュニケーションは効率的に認知を広める為にターゲットを絞り、SNSなどを中心にデジタルで展開していく。
一方、ネスレ日本は「ネスカフェ ゴールドブレンド」ブランド全体で秋冬も継続してTOKIOを起用した“違いをつくる人”のコミュニケーションを展開していく。
その中で「ネスカフェ ゴールドブレンド スティックミックス」と「ネスカフェ ゴールドブレンド」についても「TVCMのエンドカットで紹介をするなどコミュニケーションを強化する予定。併せて販売プロモーションなどの販促強化も予定している」(ネスレ日本)。