「ジョージア」ペットボトルコーヒーの空白領域・ゼロ市場開拓 コカ・コーラ独自製法でおいしさと糖類ゼロ・砂糖ゼロを両立 TinyTAN活用し訴求

 コカ・コーラシステムは、ペットボトル(PET)コーヒーで糖類ゼロ・砂糖ゼロの新商品を発売してPETコーヒー市場で空白領域とされるゼロ市場を開拓していく。

 取材に応じた日本コカ・コーラの入江麻衣マーケティング本部コーヒー事業部コアビジネスシニアブランドマネジャーは「過去、コーヒー飲料でゼロ系製品はあったが缶容器に限られていた。お客様の優先順位として機能ではなく、おいしいコーヒーが飲みたいというのがトップにあり、過去からラーニングを得て1年半かけて開発した」と振り返る。

 缶コーヒーとは異なるPETコーヒーのユーザー特性にも着目する。

 「PETから入ってきたユーザーは、モチベーションや飲用オケージョンが缶コーヒーと異なる。PETでもおいしいコーヒーを飲みたいニーズが高まる中で、新たな選択肢や価値を提案できれば市場の活性化にもつながる。意外だが、PETコーヒーのゼロ系は空いていたポジションと我々は理解している」と語る。

日本コカ・コーラの入江麻衣マーケティング本部コーヒー事業部コアビジネスシニアブランドマネジャー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日本コカ・コーラの入江麻衣マーケティング本部コーヒー事業部コアビジネスシニアブランドマネジャー

 このような見方からゼロ系PETコーヒーに商機を見出して編み出した糖類ゼロ・砂糖ゼロの新商品は「ジョージア ジャパン クラフトマン ゼロ」(440ml)と「ジョージア 贅沢クリーミーカフェ ゼロ」(280ml)の2品で10月10日に発売開始された。

 2品ともコカ・コーラ独自製法の「ミルクZEROブースト技術」を導入し、おいしさと糖類ゼロ・砂糖ゼロの両立を図った。

 ミルクZEROブースト技術は、2020年3月から発売している小型PETコーヒー「ジョージア ラテニスタ」で導入しているミルクブースト技術を進化させた特許取得済みの技術となる。

 「ミルクブースト技術はカフェで飲むような豊かなミルクの味わいを再現するための技術で、それをいかに糖類ゼロ・砂糖ゼロで実現するかがチャレンジであり、時間をかけて開発した」という。

 ミルクZEROブースト技術で、ミルクに含まれる糖類を減らしながらも、牛乳由来の乳脂肪球皮膜(MFGM)と植物由来油脂などを独自のバランスで組み合わせることで、糖類ゼロ・砂糖ゼロでありながらラテユーザーのニーズを満たす味わいを実現した。

左から「ジョージア ジャパン クラフトマン ゼロ」と「ジョージア 贅沢クリーミーカフェ ゼロ」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から「ジョージア ジャパン クラフトマン ゼロ」と「ジョージア 贅沢クリーミーカフェ ゼロ」

 2品は既存品の味わいをベースに設計。

 「ジャパン クラフトマン ゼロ」は「ジャパン クラフトマン カフェラテ」の味わいを、「贅沢クリーミーカフェ ゼロ」は「贅沢ミルクのカフェオレ」の味わいをそれぞれ受け継いでいる。

 「『クラフトマン ゼロ』は割と気軽なオケージョンでゴクゴク飲めるように440mlとし『贅沢クリーミーカフェ ゼロ』はリラックスや小腹満たしニーズに対応するため280mlとし、それぞれオリジナル製品の味わいに極力近づけた」と説明する。

 コミュニケーションはゼロの機能が一人歩きしないように注意を払う。

 「いつものラテの味わいをお客様に伝えていきたい。ゼロをシンプルに伝えていくことも大事だと思うが、“ゼロだと甘くない”といった誤解を与えないように訴求していくことが課題で、そのためのTVCMも予定している」と語る。

 2品の投入は、ご褒美など特別なシーンではなく、日常的な飲用シーンに対応したもので、ラテユーザーの飲用頻度の拡大を主な目的としているが、新規ユーザーの獲得も見込む。
 「普段飲まれないお客様の“飲んでみよう”という気持ちに訴えられたらいい」と期待を寄せる。