農水省は9日、令和4年10月期の輸入小麦の政府売渡価格を据え置く緊急措置を決定した。4月期の価格である1t当たり7万2千530円を維持する。
輸入小麦の直近6か月間の買付価格は、3月以降はウクライナ情勢を受けて急騰したが、6月以降は米国での生産状況の改善やウクライナからの穀物輸出の再開などにより下落し、おおむねウクライナ侵攻前の水準に戻った。
農水省はこうした小麦買付価格の急激な変動影響を緩和するため、緊急措置として通常6か月間の算定期間を1年間に延長し平準化した。従来通りの6か月間で算定した場合、10月期の価格は1t当たり8万6千850円で、19.7%の引き上げになる。来年4月以降は、今年3月以降の1年間の買付価格をもとに算定する方針。
今回の輸入麦価での緊急措置は物価高対策の一環として実施したもの。過去にも農水省は平成20年10月期に総合的な経済対策の一環として、23%の値上げ幅を10%に特例的に圧縮する措置を講じている。