マルエツが8日オープンした「マルエツ 板橋南町店」(東京都板橋区)には、“いちごグミ”の通称で人気を集める「OZZY(オージー)ストロベリーゼリー」など韓国ブームを取り入れた売場が点在している。
これは同社が掲げる方針のキーワードの1つ“若返り”の一環。
オープンに立ち会った古瀬良多社長は、同店の商圏特性に触れ「700mの商圏に4万人のお客様がいる。そのうち15歳~44歳が50%を占め、まさにここのエリアで支持されれば健康軸と若返りの軸で結果がみてとれる」と語る。
若返りの具体策としては「安直だが、バズっているものを取り入れる。“マルエツでこんなものも売っているの!?”と思われるように、全てのエンドサイドにそれぞれテーマ性を持たせた商品を展開している」ことを挙げる。
古瀬社長が最も重視するのは来店客の困りごとの解決。
「商品を並べて買って下さいという時代はもう終わった。何をすべきかで一番大事なのは、お客様は何らかの困りごとを解決しようとしている点。これを従業員1人1人が受け止めて解決していく」と意欲をのぞかせる。
若返りと並ぶキーワードに健康軸を掲げ、その一例として食物アレルギー対応食品のアナウンス強化を紹介する。
「一例だが、アレルギーを持つお子様には命にかかわるため、食物アレルギー対応食品のチラシを用意している」。
新しい試みとしては、生鮮三品とデリカの連携を強化していく。
「青果売り場で北海道産のアスパラを見た瞬間に“食べたい”と思われたお客様がデリカのコーナを訪れるとそのアスパラが天ぷらになっている。この取り組みを徹底する」との考えを明らかにする。
この取り組みを推進するため、生鮮三品・デリカ・ベーカリーから成るフレッシュデリカラインに、ラインマネージャーの上位職として専任者を配置した。
専任者の主な役割としては「1日1時間でいいと思うが、生鮮の各部署を回って“この魚をフライに”“この野菜を天ぷらに”とデリカ化していく。生鮮でアジの開きをつくり過ぎてしまった場合は、値引きをするのではなく、フライにして並べれば全く新しい商品になる。通常はBtoCだが、BtoBの視点で生鮮の人がフライヤーを扱えるくらいにやっていく」と説明する。