尾西食品 女子栄養大学と連携協定 栄養価のある備蓄食を開発

アルファ米などの長期備蓄食を製造・販売する尾西食品は、「防災の日」の9月1日、香川栄養学園女子栄養大学と産学連携包括協力に関する協定を締結し、女子栄養大学で締結式を行った。締結式には女子栄養大学から香川明夫理事長・学長、五明紀春副理事長、染谷忠彦常務理事、久保彰子公衆栄養学研究室准教授。尾西食品からは古澤紳一社長、市川伸介専務、伊藤秀朗取締役商品開発部長、商品開発部の味方裕佳氏が出席した。

女子栄養大学は、昨年から尾西食品の備蓄食を採用しているが、より栄養価値の高い備蓄食を開発したいとの要望があり、今回の協定締結に至った。同大学の公衆栄養学研究室の久保准教授が前職で熊本保健所に勤務し、食生活改善の研究に従事していた経緯もあり、尾西食品が求める考えと一致した。

学生が備蓄食の調理を実演 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
学生が備蓄食の調理を実演

締結式で香川学長は、「両社の想いは持続可能な開発目標であるSDGsの考えとも重なっている。今後は商品開発における栄養学的な面の協力など様々な取り組みをしていく」とあいさつ。尾西食品の古澤社長は、「アルファ米は神戸淡路大震災の時に長期備蓄食として見直され、官公庁や企業が備蓄するようになった。また11年前の東日本大震災の折にはアレルゲンフリーが見直され、今では出荷量の約3分の2がアレルゲンフリーとなっている。昨年発売した『CoCo壱番屋監修 尾西のカレーライスセット』やクッキーもアレルゲンフリー商品だ。備蓄食品は炭水化物に偏重しがちだが、これからは栄養を考え、タンパク質やビタミンなどをテーマにして商品を開発したい。協定締結により第二段階の商品開発を進めていく」との考えを示した。

調印後には備蓄食を研究している短期大学のゼミの学生が、製造月から5年6か月の賞味期間がある「尾西の五目ごはん」と「尾西の携帯おにぎり わかめ」を実際に調理し、来場者に試食してもらった。

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