「ちょっと贅沢な珈琲店」から「スティック カフェラテ」登場 在宅時間増加を背景に拡大する男性ユーザーに照準 味の素AGF社

 味の素AGF社は「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドから新シリーズ「ちょっと贅沢な珈琲店 スティック カフェラテ」を立ち上げ9月1日から発売している。

 新シリーズは、コロナ禍を契機とした在宅時間増加を背景に、男性によるスティックコーヒーの購入率が拡大していること受けて開発されたもの。

 江村治彦コンシューマービジネス部長は、「ブレンディ」ではなく「ちょっと贅沢な珈琲店」から新シリーズを立ち上げた理由について「男性ユーザーの新規流入に対しては、上質なブランドでご提供すべきだと判断した。『ブレンディ』スティックは20‐40代女性がメインターゲットであることからターゲットの違いも加味した」と説明する。

 AGFの調べによると、新規男性ユーザーの特徴は20~40代中心で世帯年収は高め。

 「今の生活をワンランクアップさせたいと考えており、仕事の忙しさやプレッシャーの中でも癒しやご褒美を求める傾向にある。従来、外でボトル缶やペットボトルで飲まれていたコーヒーが、スティックコーヒーに代わりご家庭で飲まれるようになった」と分析する。

 新規男性ユーザーがスティックに求める価値については充実感と癒し感の2つを挙げ「充実感ではしっかいとしたコーヒー感が求められる一方、癒し感ではコーヒーにプラスしたミルクと甘さのバランスが求められている」との見方を示す。

 このような見立てを反映させて「ちょっと贅沢な珈琲店 スティック カフェラテ」は、インスタントコーヒー全体に対して、ブラジル産の上質なアラビカ種のコーヒー豆を70%使用し、それをエスプレッソ抽出してコーヒー感を強めながらミルクの風味や甘味のバランスを調整した。

 これにより「コーヒーの爽やかな香りと濃厚なコクにミルクと甘みがバランスよく溶け合った贅沢な味わいのカフェラテに仕立てた。『ブレンディ』スティックと比較しても、よりコーヒー感の強い味わいになっている」と胸を張る。

 スティックコーヒー市場は「ブレンディ」スティックが2002年に発売開始され、間口(飲用層)の拡大と世帯あたり・1人当たりの購入量と飲用杯数が大きく伸びたことで市場拡大を遂げてきた。

 しかしここ数年は拡大が落ち着き踊り場の状況にあるという。

 武岡正樹常務執行役員は「今後どれだけ間口をさらに増やせるかが課題。特に若い層がまだまだ低い状況なため、Z世代など新規流入を加速させるような施策をSNSなどで行い、どんどん流入するような構造をつくっていきたい。また、コロナ禍で男性ユーザーが増えたことを受けて『ちょっと贅沢な珈琲店』で男性ユーザーの“ふぅ。”に寄り添った味わいとパッケージを追求し再度スティック市場を活性化させていく」と意欲をのぞかせる。