松屋は31日、自社運営の冷凍食品売場「ギンザフローズングルメ」を地下2階に新設する。同売場には地元・銀座の名店が手掛ける冷凍食品で品ぞろえした「銀ぶらグルメ」も設置しており、話題を集めそうだ。
コロナ禍を経て変化した、新たなライフスタイルや価値観に対応し導入した。「巣ごもり」が浸透したこの3年では、消費者の購買意欲は中食に向けられ、続いて冷食の市場規模拡大にも影響を与えた。
松屋はこれを受け、「おいしさと笑顔の引き出し」をコンセプトに、自宅でもお店の味を楽しめる、松屋らしい高品質にこだわった冷食売場を展開する。
ギンザフローズングルメでは「冷食は解凍方法を間違えると美味しさを損ないかねない。百貨店ならではの接客で、丁寧な説明ができることが自社運営のメリット」(売場担当者)としており、「時空を超えて銀座の美味しさを全国に届けたい」(同)と強い意欲を示している。
なお同売場では、松屋銀座限定の「パティスリィ アサコイワヤナギ」のジェラードパルフェや、百貨店初登場となる「玉ひで」の親子丼の素をはじめ、銀座とのつながりを大切にしてきた同社ならではの名店を集めた「銀ぶらグルメ」など、計50種のブランドを品ぞろえた。
「銀ぶらグルメ」は、「コロナ禍で来店できずともお店の美味しさを届けたい」との思いから、老舗洋食店「銀座日東コーナー1948」の竹田大作社長が周辺の飲食店に声がけで実現したもの。ブランド商品として、各店の看板メニューや新規レシピを最新の冷凍技術を駆使して再現した。
現在は「銀座吉澤」「銀座みかわや」「銀座ピエスモンテ」などの名店が参画しており、今後さらに参画企業を拡大していく方針だ。銀座の老舗百貨店がブランド力と地の利を生かし、冷食で売場を盛り上げる。