尾家産業 大阪を皮切りに秋季提案会 単価アップへ提案

尾家産業は18日、大阪国際会議場(大阪市北区)で秋季提案会を開いた。「ポジティブ」をトータルテーマに掲げ、大阪を皮切りに9月末まで全国10会場で実施する。大阪会場には152社が出展。新商品361品を含む、約3千500品を用意した。

4月に開催し好評だった中食向けの提案を、今回はコーナー化。弁当、惣菜、ベーカリー向けの約100メニューを用意したほか、肉素材の歩留まり向上(味の素)やサラダの離水抑制(伊那食品工業)など、現場の課題解決につながる商品提案も行った。

「今後、お客様が値上げの検証を始める可能性があり、メニュー単価が上がるような提案に力を注ぐ必要がある」(小林治仁中日本西部統括)との考えから、付加価値を高める提案を企画コーナーやメーカーブースで展開した。

ノースイは広島産ムール貝を添えたクリームシチューを試食提供。「北海道のコーンやかぼちゃを加えることで、さらに価値が高まる」とアピールした。キッコーマン食品は「ステーキしょうゆ」のトリュフ風味や和山椒風味を加えて高級感を演出したメニューを紹介。「今あるメニューの価値を高め、客単価アップと現場のオペレーション軽減につながる」と強調していた。

定食メニューのコーナーでは、主菜と副菜、汁物を組み合わせて選べる「マイ定食」を提案。ランチの営業を始める店舗が増えていることに対応するとともに、栄養面にも配慮しヘルスケア業態に向け提案する。

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尾家啓二社長と小林治仁中日本西部統括は18日に開いた会見で、今期の進捗状況と今後の見通しについて次の通り述べた。

「PBさらに売り込む」尾家社長

尾家啓二社長㊧と小林治仁統括(尾家産業) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
尾家啓二社長㊧と小林治仁統括(尾家産業)

ユーザーが戻ってきて、注力している新規開拓も進み、第1四半期の売上予算達成に結びついた。利益も赤字予算を組んでいたが黒字化できた。値上げラッシュでお客様にお願いするのと同時に、全品見直しを行い、それを忠実に進めたことが好業績に結びついた。もう一つ間接的に良かったのは赤字でも賃上げを行い、それが効果的に社員のやる気につながったのではと考えている。

不安材料は感染拡大により行動制約が出ると人の動きが止まるのではという懸念。値上げラッシュも続いている。こうした中、商品面ではPBをさらに売り込み、MVF(ミート、ベジタブル、フィッシュ)の扱いも増やす。業態としてはヘルスケアと中食に力を入れる。4-7月で中食は120%以上、MVFは140%以上となっている。ヘルスケアは108%と多少鈍化したが、伸びしろはまだ大きい。

今後、コロナ前の状態に100%戻るかと言えば首をかしげるが、インバウンドがどこまで戻るかの影響が大きいと思われる。

「メニュー単価上がる提案を」小林統括

前期からの異常な値上げラッシュの中で頑張り、とりあえずこの半年は受けてもらえた。今後はお客様が値上げの検証を始める可能性がある。その対策としてメニュー単価が上がる提案、高利益のメニューが組める提案を値上げと同時に進めていかなければならない。