ひかり味噌 付加価値品の充実へ“グッドバリュー”で提供

みそ業界3位のひかり味噌(長野県下諏訪町)は付加価値型のみそを中心に品ぞろえの充実と量的スケールアップを図る。今年2月の新設備稼働に当たって、同社の使命を「圧倒的にみそそのもの」(林善博社長)と再認識。付加価値品を含め製造するすべての商品をこだわりの「グッドバリュー」で消費者へ届ける。

近年、コロナ禍での内食需要の高まりにより家庭内消費が増加。また、海外市場でも和食や発酵食品のニーズが高まっている。これを受けて同社の生産量は毎年1千~2千tずつ増えており、今期末は4%増の4万3千500tとなる見通しだ。

主力品である無添加みそ、有機みそ、国産素材みその生産量が引き続き堅調に推移し、さらにコロナ禍においても海外輸出が好調に推移している。現在、日本のみそ輸出の30%以上を同社が担っており、みその海外輸出をけん引している。

今後のさらなる増産傾向に備えて生産体制を整えるべく、今年2月に飯島グリーン工場(長野県飯島町)隣接の新設備を稼働開始した。年間約2万tの生産能力を備え、最新の機械を使用し、原料の仕込みから洗浄、蒸米、製麹まで一環して行う。主力のみそをはじめ、多品種を少量生産で対応する。

また、先月22日から新熟成庫「未来蔵 MIRAIZO」を稼働した。1千500本ものみそ発酵タンクを自動搬送システムで管理し、3千tのみそ貯蔵を可能にする最新の設備だ。世界に向けて高品質なみそを提供していく。

CRAFTMISO生糀(ひかり味噌) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
CRAFTMISO生糀(ひかり味噌)

同社は1936年に創業。前9月期の売上高は169億円。今期売上高は5%増の178億円で着地する見通しだ。みそ業界の生産量・出荷量が年々減少する中で、着実に生産量を増やしている。

近年は即席みそ汁やスープ類など加工品の伸び率が高いこともあり、直近の販売比率はみそが36%、加工品が64%となっている。最近はみそ注力へ回帰しており、特に無添加みそ「無添加 円熟こうじみそ」、無添加オーガニックみそ「こだわってます」など付加価値型みその販売拡大に注力している。

今秋も付加価値型みそが新たに加わる。9月発売の「CRAFT MISO 生糀」は、通常のみそ作りにひと手間加えることで、これまでにないフルーティーな香りとジューシーな食感を実現した。みその新たな食スタイルを提案し、柱商品として育成する。