「国産原料がトレンドに」 旭食品・竹内紘之副社長 大手も関心、地域卸の強み発揮を

旭食品の竹内紘之副社長は食品新聞のインタビューに対し、コロナ禍で内食が定着し「もともとあった簡便、健康、さらに高付加価値品に対する消費者の意識がさらに高まった。今後、国産原料品をいかに売っていくかというのがトレンドになるだろう」との考えを示した。

竹内副社長は「今年はあらゆる商品が値上がりし、円安で海外からの調達も難しくなっている」と現状を指摘した上で、今後の消費動向について「国産原料を使った国内のおいしいものを、どう売っていくかという流れになると考えている。その先にはインバウンド、さらに輸出があり、国産原料を加工食品に変える開発力が問われる。そこで地域卸の強みが生かせる」と強調した。

同社ではグループ子会社の旭フレッシュ(高知市)が高知市のゆず産地・土佐山地区との協業、キラリフーズ(広島県安芸高田市)が高付加価値もち麦の生産など、グループ会社が農産を軸とした地域との取り組みに力を入れている。

「以前だと旭フレッシュは、ゆずの果汁を買って量を売るという作戦しかなかったが、今はゆずを通し一次産業にまで徹底的に入り込んでいる。各子会社が強みを生かし深掘りできるようになった。これまでは卸売業の延長だったオリジナル商品にも厚みが出ている」(竹内副社長)。

オリジナル商品だけではない。この秋には新たに大手メーカー2社(ポッカサッポロフード&ビバレッジ、明星食品)が土佐山産のゆずを使った新商品を発売する。竹内副社長は「国産原料へ興味を持つ大手メーカーは多い。どのような原料がメーカーや量販店の差別化に役立つか検証しながら、一緒にモノづくりを進めていきたい」としている。

5月8日は「#ぬか漬けの日」アイデアレシピ大募集
優秀作にはプレゼントも