白子 秋冬は個性派商品で勝負 社長推し、名品復活など

白子は22年度秋冬向け商戦で、バラエティに富んだ4商品シリーズを投入する。家庭用や贈答向け需要を中心に、従来にないユニークな商品群でスーパーや量販店、百貨店などに訴求する。

「卓上味のり40枚社長の太鼓判」は、原田社長が「お薦めするのりをおすそ分け」というコンセプトから生まれた。原田社長が自ら品質を厳選し、21年度漁期に入札した九州・佐賀産海苔を使用。ゴマの風味で浜御塩焼塩の薄めの味付けに仕上げた。パッケージに原田社長の似顔絵をデザインしており、社長の“推し”商品という新機軸で1万個限定で売り出す。経営トップを全面に強調し、「通常にないこだわりや限定という部分を打ち出した」(商品開発室)といい、高級スーパーや百貨店の催事で引き合いが強い。22年度漁期分も数量限定で企画を継続する予定。

贈答用では歳暮シーズンを見据え、10年ぶりに「白子錦ギフトシリーズ」を復活させる。錦は有明海産で一定の品質基準を満たした海苔のみを最高位に格付け、職人が一枚ずつ丁寧に焼き上げた。錦はアイテム数を絞り込んだ影響で終売になっていたが、看板商品として外観デザインをリニューアルして販売する。

このほか「ひとくち手巻き4切10枚シリーズ」は、焼のり、甘口醤油味、塩だれ味の3種類を取りそろえた。手のひらサイズで消費者ニーズが高い4切タイプのラインアップを充実させ、パッケージに甘口醤油は肉系具材、塩だれは海鮮系、焼のりは洋風具材との組み合わせや調理例を表示。幅広い世代に向け、多彩な食べ方を提案する。「パリパリおにぎり焼のり10枚」と「しっとりおにぎり焼のり10枚」は、「パリ」や「しっとり」といった表現と、「まるでコンビニ」という言葉から味や食感がイメージしやすいよう商品名に工夫を凝らした。

「ひとくち手巻き」シリーズと焼のり10枚は、同社が3月に実施した消費者アンケートを踏まえ、商品のコンセプトやネーミングの着想を得た。いずれも発売は9月から来年3月まで。