「最後のフロンティア」のいま

キリンホールディングスがこのほど事業撤退を決めたミャンマーは、数年前まで「アジア最後のフロンティア」とされ、日本企業の進出が相次いだ地だ。

▼だが昨年2月の政変後は状況が一変。地政学的リスクや国際社会の厳しい視線にさらされ、企業は戦略転換を余儀なくされている。ただ今春急速に進んだ「脱ロシア」へのシフトに比べれば、その動きは鈍いように見える。JETROが昨年に実施した調査によれば、ミャンマーに進出している日本企業のうち、政変後も7割近くの企業が縮小・撤退しない方針であることが分かったという。

▼ミャンマー軍の弾圧による死者数は2千人を超えた。民主活動に関わった活動家への死刑執行も、今にも行われようとしている。ところが日本政府は今年も、ミャンマー国軍から幹部候補生らを防衛大学校などへの留学生として受け入れた。費用の出どころは無論われわれの税金。これがロシア軍なら、ちょっと考えられない事態だ。

▼幸い、この国は民主主義国家。個人が政治的意思を表明しても弾圧されることはないのが建前。この週末の投票日は、そのためのまたとない機会である。

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