割って飲む自由なビール その名は「ビアボール」 コト消費で新世代へアピール サントリービール

サントリービールは21日、自分好みの味わいにカスタマイズできる新コンセプトビール「ビアボール」を発表した。ALC16%の高アルコールビールに氷を入れて炭酸水で好きな濃さ・量に割り、自由に楽しんでもらう。ビール離れが進むミレニアル(M)世代やZ世代など若者世代を中心に訴求し、ビールの間口を広げていきたい考えだ。

7月5日から一部の料飲店にて先行発売。本格展開は、業務用500㎖中瓶(税抜希望小売価格862円)を10月4日から、家庭用344㎖(698円)小瓶を11月15日から全国発売する。販売目標は初年度23億円/13万ケース(大瓶20本換算)、23年120億円/70万ケース、24年170億円/100万ケース。

業務用㊨のほか家庭用㊥も11月から発売(ビアボール) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
業務用㊨のほか家庭用㊥も11月から発売(ビアボール)

ビール市場は2004年をピークに17年連続で減少傾向にある。市場復活のためには、「未来の酒類市場を牽引する、未来の飲み人」が必要。同社では多岐にわたる経歴をもった人材を集めたイノベーション部を創設し、伝統と革新を組み合わせて新しいビールづくりを目指す。「『お客様がワクワクする楽しさの提案』をテーマに、新たな価値創造に挑む」(田中嗣浩・執行役員マーケティング本部長)。

メーンターゲットは、1980年代半ば以降に生まれたMZ世代。モノを買うよりコト消費を楽しむ世代の酒類の飲み方や、SNS映え、エンタメ性を重視して、自分好みにつくる自由なビールを開発した。

自然醸造で同社史上初の高アルコール度数を実現するため、選りすぐりの酵母を選抜、酵母の栄養供給、温度管理を徹底したサントリー式「酵母イキイキ製法」を導入。

展開中のポップアップストア(ビアボール) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
展開中のポップアップストア(ビアボール)

1本当たりの杯数は、業務用中瓶で約10杯分、家庭用8杯分を想定。おすすめはALC4%程度になる、炭酸水と「ビアボール」が3対1になる割り方。開封後は2週間以内の消費を推奨しており、業務用にはリキャップと小分け用小瓶を提供するほか、家庭用には全商品にリキャップを首かけに添付して販売する計画だ。

新しい価値観のビールを伝えるため、6月21日から東京と大阪でポップアップストアを展開。大阪は心斎橋BIGSTEPで7月18日まで実施している。

定番であるALC4%「ビアボール」のほか、2%「ほんのりビアボール」、8%「ガツンとビアボール」、「ビアボール」と炭酸水、氷をセットにした「DIYビアボール」を販売する。期間中に1千杯の提供を目指す。