AI 活用しトマトの営農支援 カゴメがNECとポルトガルに合弁会社

カゴメと日本電気(NEC)は、7月にAIを活用して加工用トマトの営農支援を行う合弁会社「(DXAS Agricultural Technology)ディクサス アグリカルチュラル テクノロジー」をポルトガルに設立する。

カゴメのトマト営農に関する知見と、NECのAIを使った分析・予測技術を融合させ、主に欧州、米州、オーストラリアの加工用トマト市場における営農支援を加速。将来的には日本での事業展開も目指す。

両社は2015年からAIを活用した営農アドバイスの技術開発や事業検証を行い、ポルトガル、スペイン、オーストラリア、アメリカで実証試験を重ね、7か国で事業を展開してきた。2020年4月には戦略的パートナーシップ契約を締結し、カゴメ内に新設したトップ直轄組織「スマートアグリ事業部」を中心に、NECの農業ICTプラットフォーム「クロップスコープ」を使い、さらなる営農アドバイスの機能・品質の向上を図ってきた。今回は営農支援事業における技術開発を加速させ、営業活動を強化するための新会社を設立した。

合弁会社ディクサス アグリカルチュラル テクノロジーのCEOは、中田健吾氏(現カゴメ スマートアグリ事業部長)、資本金は3億円相当ユーロ、株主比率はカゴメ66.6%、NEC33.4%。

渡辺美衝カゴメ取締役専務執行役員のコメント 「クロップスコープ」を活用したこの事業は、トマトのおいしさや栄養価値で人々の健康に貢献したいと考えている生産者の願いを叶えるものだ。事業を通じて、環境にやさしいトマト栽培の実現やお客様の食と健康といった社会的価値への貢献を、新会社ならびに当社の成長につなげていく。

藤川修NEC執行役員常務兼CFOのコメント

温暖化や気候変動、土壌汚染、水・肥料の高騰などといった厳しい地球環境の中、消費者に安全な食を届けなければならない生産現場に対し、AIなどの先進技術を活用することで何か価値を提供できないかという想いでカゴメと一緒に開発を続けてきた。NECの技術によって社会に対し直接的な価値を提供し、世界の食と農に貢献し続けていくことを新会社とカゴメとともに目指す。

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