業務用食品店「A-プライス名古屋店」が5月20日、名古屋市中区にオープンした。キャッシュ&キャリー(C&C)事業の強化を図るトーホーグループと、食品部門の充実を進める包装資材卸・販売のシモジマの狙いが一致。シモジマが、「A-プライス」のフランチャイジーとなり1号店を開設した。トーホーグループにとっては「A-プライス」FC展開のリスタート、シモジマにとっては次なる成長に向けた業態進化の取り組みの第一歩となる。
「A-プライス名古屋店」(名古屋市中区錦2―5―17)は、既存「シモジマ名古屋店」の6フロアのうちの1階部分を改装したもの。同店は名古屋地区有数の繁華街である錦・栄エリアに立地。これまでも周辺の飲食店に対して包材・備品などのほか、一部食品を販売してきたが、「A-プライス」の展開でさらなる利便性と顧客満足度の向上につなげる。
店舗は、売場面積約85坪。品ぞろえは常温1千900アイテム弱(構成比約74%)、冷蔵165アイテム(同6.5%)、冷凍約480アイテム(同約19%)の計約2千500アイテムで、トーホーグループPBの「イーストビー」や「スマイルシェフ」もラインアップ。包材や洗剤、雑貨などに関しては、既存シモジマ店舗の別フロアにあるため割愛した。酒類は置いていない。トーホーC&CからSV1人が常駐し、店舗運営をサポートしていくという。
「飲食店のお客様が今後非常に重要なターゲットになってくる。これまで食品包材のみを提供していたものが、食品まで広げることによって、より多くの飲食店さまの利便性に沿うような形の店が展開できることを期待している。名古屋店の動向を見ながら、今後の方向性を定めていきたい」(シモジマ広報)とする。
一方、トーホーグループは、第8次中期経営計画「SHIFT UP 2023」(22年1月期~24年1月期)で掲げる5つの重点施策の一つとして、コア事業であるC&Cのさらなる強化を目指しており、FCによる新たな出店モデルの構築も重要なテーマとなる。「われわれだけでは全国展開が難しいところもあるが、FCという形で新たな広がりを作っていけたらと考えている」(トーホー広報)とのこと。
C&C事業では、既存顧客のストアロイヤリティ向上と新規獲得に注力。「A-プライスアプリ」の新規入会数は昨年過去最高を記録し、総計60万人を突破。9月には「A-プライスオンラインショップ」も開設。多様化する顧客ニーズへの対応や、新たな販路開拓などを推し進めている。