魚の消費拡大へ「旬のやさかなレシピ」 今夜の献立を応援 キユーピー

キユーピーはこのほど、生鮮売場商品ブランド「フレッシュストック」の「鮭の蒸し焼きソース」の販売を通じて魚の消費拡大を目指す「旬のやさかなレシピ」推進プロジェクトを始動させた。「フレッシュストック」はこれまでは事業名称として用いてきたが、家庭内調理の悩みどころである「レパートリー」「ヘルシー」「時短」に寄り添うブランドとして新たに展開する。

同社がプロジェクトを推進する背景には、日本における魚の生産量と購入量の減少がある。「日本人の9割が魚好きである一方、家庭内調理で魚を使用するのは週に1回程度」という現実を映し出した調査結果も発表されており、魚離れの理由として調理の手間や子どもの喫食機会が減ったこと、世界的な需要増による価格高騰などが指摘されている。

同社ではプロジェクト推進にあたって、人気魚の鮭に着目。手軽な調理でおいしく仕上がる点や、サーモンが回転ずしのネタとして定着している点、いつの時期でも比較的安定した価格で購入できることなどから対象の食材にすることを決めた。鮭の旬は一般的に秋と言われるが、5~7月に獲れる銀鮭も味が良いことで知られる。藤原かおり上席執行役員は夏の施策発表会で「土用の丑の日にうなぎを食べるようになったように、夏に鮭を楽しむという新しい食文化を浸透させたい」と意欲をみせた。

同社では長きにわたり日本の食卓においしい野菜の食べ方を提案し続けてきたことから、「鮭の蒸し焼きソース」の販売を通じ、夏鮭に夏野菜を組み合わせたレシピを提案。プロジェクトメンバーには同社のほか、料理家の和田明日香さん、豊洲市場の鮮魚仲卸業の山治、大田市場の青果物仲卸業の大治、金沢まいもん寿司など、魚・野菜のプロフェッショナルが参画。

プロジェクト始動とともに発表された和田さん考案の第一弾レシピ「鮭のトマトソース とろとろなすとモッツァレラ入り」を発信し、鮮魚売場でも『旬』をテーマとした売場づくりを展開する。また、同社ブランドとしては初となるインスタグラム公式アカウントも開設し、毎週新しいレシピを紹介することで、簡単手料理を求めるユーザーをサポートする考えだ。