アイスコーヒー、巣ごもりで中高価格帯に好機到来 キーコーヒーが香り・コク重視の本格志向へ商品拡充

 キーコーヒーは、アイスコーヒー(リキッドコーヒー)市場で同社商品を含めて単価150円以上の中高価格帯が拡大していること受けチルド・ドライそれぞれの領域で中高価格帯商品を拡充した。

 同市場の過半のボリュームを占める店頭売価100円前後のペットボトル(PET)入りボトルコーヒーは昨年、20年の反動減もあり微減に転じたと推定される中、紙容器の中高価格帯は続伸した。

 中高価格帯が伸びている背景について、田中正登志R&Dグループグループリーダーは「巣ごもり需要の高まりによってご自宅でコーヒーを飲む機会が増えている。その中でせっかくコーヒーを飲用するのであれば、おいしいものや品質のよいものを飲みたいニーズが非常に高まってきているのだと思っている」と述べる。

 この見方はチルド・ドライの両方に当てはまるとし、チルドでは3月1日に「京都イノダコーヒ リキッドコーヒー 無糖」(1L)「同 微糖」(同)を新発売し「まろやか仕立て 贅香」をリニューアル発売した。

 チルドの可能性について、本吉眞紀R&Dグループ設計第二チームリーダーは「直近の3年間で150円以上の中高価格帯チルドコーヒーのシェアが上昇しており、中高価格帯の市場拡大のチャンスが増大していると捉えている」と期待をよせる。

「京都イノダコーヒ リキッドコーヒー」2品 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「京都イノダコーヒ リキッドコーヒー」2品

 今回新発売した「京都イノダコーヒ リキッドコーヒー」2品は、中高価格帯の中でも同社が課題とする350円以上の高価格帯のシェア強化を目的としている。

 「大手老舗メーカーの喫茶カフェブランドにトップシェアを握られ、ご自宅でも喫茶店・カフェのコーヒーが楽しみたいという喫茶カフェブランドのニーズが見て取れる。このような状況を踏まえ高価格帯のニーズに応えるべく『京都イノダコーヒ リキッドコーヒー』を発売する」と語る。

 同商品の中味は「やわらかくて深いコクのありキレのある味わいを焙煎などの工夫により実現した」。
パッケージは「イノダコーヒ」であることが一目で伝えるデザインを採用している。

 一方、250円~349円の中価格帯のチルドコーヒー市場では、同社の「まろやか仕立て 贅香」が過半のシェアを握る。
今回、レギュラーコーヒーの焙煎や製法を見直すことで香りをさらに向上させて「300円前後でもお得と思わせる高級感を目指していく」。

「リキッドコーヒー テトラプリズマ」2品 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「リキッドコーヒー テトラプリズマ」2品

 同社がドライのアイスコーヒーで70%強の圧倒的なトップシェアを握る「リキッドコーヒー テトラプリズマ」も中味・パッケージに磨きをかけて3月1日にリニューアル発売した。

 中味は「酸臭やグリーンな香りというネガティブな香りが減少し、味わいの変化では酸味が抑制されバランスを整えた」。

 独自製法で経時的な風味の低下と酸味の出現を抑制したことに伴い、賞味期限を6ヵ月延長し16ヵ月とし食品ロス軽減にもつなげていく。