コンビニ各社、増量や割引でGW商戦 行動制限がない中「思い切った発注が難しい」見方も

 ゴールデンウィーク(GW)が折り返し地点に差し掛かった中、コンビニ各社は巻き返しを図るべく増量や割引を実施している。

 今年は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の行動制限がないGWとなり、コロナ禍の20年比と21年比ではプラスが確実視される中、各社ともコロナ前の19年比をベンチマークに施策を展開しているとみられる。

 人流が回復しアクティブなGWと見る向きが多い中、セブン-イレブン・ジャパンは手巻きおにぎりを増量。
 「なかなか人流が戻らず、特に観光地、あるいは観光地に向かうところでは、思い切った商品の発注が難しい中、おにぎりについては確実に効果が上がる」(セブン-イレブン・ジャパンの青山誠一取締役執行役員商品本部長兼物流管理本部長兼QC室管掌)とみている。

 セブン-イレブンでは8日まで、手巻きおにぎり5アイテムの中身を1.2倍~1.5倍に増量して価格据え置きで販売している。

 ファミリーマートは、ファミチキバンズ(タルタルソース)とレジ横ケース内の揚げ物・惣菜をセットで買うと50円引きとするキャンペーンを9日まで展開しているほか、有楽製菓の「ブラックサンダー」とコラボしたフローズンドリンク「フラッペ」を前面に押し出している。

 5月31日からオリジナルホットスナック「からあげクン」の税込価格を216円から238円に値上げすると発表したローソンは、9日まで「からあげクン」の1個増量施策を実施し需要を喚起している。

 マーケティングリサーチ会社のインテージがGWについて全国の15~79 歳の男女約2600人に4月実施した調査によると、「今回のGWの予定」の設問では「自宅で過ごす」が6割と最も多い回答となったものの昨年の「自宅で過ごした」回答率より16ポイント減少した。  

 ショッピング・外食・国内旅行といった外出を伴う予定のスコアが大きく伸びたことから同社では「これまでのGWとは異なり外出や旅行などが一定の回復をみせるアクティブなGWとなりそう」とみている。