「サントリー天然水」の最新鋭工場  “清冽さ”伝えるブランド体験型で5月から一般公開  長野県大町市・観光拠点の期待感も

 サントリー食品インターナショナルは、「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」(長野県大町市)を一般的な工場見学のやり方とは一線を画して5月14日に一般公開する。

 製造以外のスペースを広くとり五感を通じて「サントリー天然水」ブランドが体験できる場に仕立てたのが特徴。

 同工場は昨年5月に稼働。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で1年遅れての公開となる。

 4月25日の内覧会でサントリープロダクツの澤田元充執行役員天然水北アルプス信濃の森工場長は「高効率・高品質な製造に付加して“清冽な天然水”のブランド体験ができるフィールドをつくることにした。ここの土地に惚れ込み、次世代につなげるため“未来に続く物語”という言葉を設定した」と語る。

「サントリー天然水」のラベルにも描かれている餓鬼岳(がきだけ)が一望できる「アルプステラス」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「サントリー天然水」のラベルにも描かれている餓鬼岳(がきだけ)が一望できる「アルプステラス」

 工場見学ツアーに留まらず、川のせせらぎや山の眺望が楽しめるテラスほか、散歩道、広々とした野外スペース、カフェなどがあり、長野県大町市の観光拠点への期待感も高まりそうだ。

 サントリーは、大町市が20年12月に発足したサステナブル・タウン構想の実現に向けた産学官金連携パートナーシップ「信濃おおまち みずのわプロジェクト」に参画。

 この取り組みとして、現在はコロナ禍のため未定であるが、イベント開催ほか「東京・大阪・東海エリアから旅行ツアーを企画しようと話している」。

 オープンに伴い、大町市市営の周遊バスが信濃大町駅と同工場を結ぶ予定になっている。

「天然水ハウス」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「天然水ハウス」

 ブランド体験施設公開によって成し遂げたいイメージについて、サントリー食品インターナショナルブランド開発事業部の平川青澄(あすみ)氏は「普段売られている『サントリー天然水』が大自然の中で時間と手間をかけてつくられているということをお客様に知っていただくことは非常にブランドにとっては価値のあること」と述べる。

 「ものづくり棟」(製造棟)での工場見学ツアーは事前予約制で当面はコロナ禍を踏まえ1回12人で行われるが、事前予約がなくても「天然水ハウス」と呼ばれる木造の建物で水の循環を伝えるコンテンツなどが体験できる。

「青のトンネル」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「青のトンネル」

 施設以外でも「五感を研ぎ澄まし、自然をより感じていただく」ことに主眼を置き、北アルプスに源流を持つ乳川(ちがわ)を望むテラスや、外の音や光を遮断し青い光と冷涼さが楽しめる「青のトンネル」を設けている。

 野外スペース「みずのわ広場」には小川が流れ、小川沿いには予約なしで利用できる「みずのわカフェ」が営業。カフェでは天然水仕込みのクラフトソーダや北アルプス天然水のかき氷、フードメニューを販売する。

 ものづくり棟では「『サントリー天然水』のものづくりへのこだわり」に重きを置き、20年の歳月を経て生まれる天然水を水の視点で学べるシアタールームや自らの操作で製造工程を見ることができる設備など多彩に取り揃えている。

「ものづくり棟」のコンテンツの一部 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ものづくり棟」のコンテンツの一部

 ツアーは1時間程度。ツアー参加者には指定ネーム入りオリジナルボトルの「サントリー天然水」がプレゼントされる。

 出来立ての「サントリー天然水」も用意しテラスで試飲でき、テラスは「アルプステラス」と称し、ラベルにも描かれている餓鬼岳(がきだけ)が一望できる。
同じく眺めのいい授乳室も設けている。

 同工場の製造ラインは、最新鋭の設備とシステムを取り入れ、各種業務の効率化と重労働削減を図ったほか、デジタル情報を統合してトレーサビリティ能力を飛躍的に向上させている。
また同社国内工場初の取り組みとしてCO2排出実質ゼロとするなど環境配慮型の設計も特徴となっている。

EU農産品  - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)