日本冷凍食品協会が20日公表した21年(1-12月)の冷凍食品国内生産量は159万6千214t、前年比2.9%増と2年ぶりのプラスに転じた。金額(工場出荷額)は7千371億円、5.2%増と伸長。過去最高の7千499億円(00年)に次ぐ水準となった。
業務用は数量79万7千547t(2.3%増)、金額3千451億円(5.3%増)。コロナ禍で20年が11万6千t減(13%減)と大きく落ち込み、21年は2万t程度回復したものの、19年比では11%減。2年連続で80万tを下回った。
家庭用は数量79万8千667t(3.6%増)、金額3千919億円(5.2%増)。いずれも調査開始以来、過去最高を更新した。数量は7年連続のプラス。コロナ前(19年)との比較では、この2年間で数量は約10万t増(15%増)、出荷額は755億円増(23%増)と大きく伸長した。
業務用と家庭用の比率は、数量ベースで業務用50%:家庭用50%(前年/50.3%、49.7%)、金額では業務用46.8%:家庭用53.2%(前年/46.8%:53.2%)。金額ベースは20年に家庭用が業務用を逆転し、21年もその傾向が続いており、数量ベースでもわずかながら家庭用が初めて業務用を上回った。
品目別生産量(大分類)では、農産物が9.1%減と前年割れとなったが、水産物(1.4%増)、畜産品(34.3%増)、菓子類(8.2%増)と堅調。国内生産の約9割を占める調理食品は数量143万t(3.3%増)と増加に転じた。
小分類の品目別で、前年に対して大きく増加したのは、パン.パン生地(1万1千t増、58.4%増)、ギョウザ(8千862t増、9.9%増)、カツ(5千624t増、10.3%増)、ミートボール(4千223t増、20.4%増)など。
一方で、うどん(3千645t減、1.8%減)、パスタ(3千423t減、5.2%減)、シチュー・スープ・ソース類(2千403t減、22.5%減)は、前年を下回った。
品目別生産量の上位20品は、1位うどん、2位コロッケ、3位炒飯、4ギョウザと上位4品目は変わらず、ハンバーグ(6位→5位)、ラーメン類(7位→6位)などが順位を上げた。
なお、21年の冷凍野菜輸入量は107万2千309t(3.8%増)。輸入額は2千34億円(8.9%増)で調査開始以来、最高を記録。増加した主な品目はポテト(1万3千t増、3.7%増)、ブロッコリー(6千450t増、11%増)。一方で、えだまめ(6千872t減、9.7%減)は前年に続き減少した。国別ではシェア5割を占める中国が6.4%増と伸長、輸入量は50万tを超えた。アメリカはポテト、コーンを中心に減少、タイも減少した一方で、その他の国からの輸入は13.8%増となった。
協会会員のうち輸入調理冷凍食品を取り扱う38社を対象にした、21年の調理冷食輸入量は23万6千142t(7.4%減)、金額1千544億円(1.6%減)。
国内生産量と冷凍野菜輸入量および調理冷凍食品輸入量を合算した、21年の「冷凍食品国内消費量」は290万4千746t(2.3%増)。前年の3.7%減から回復し、プラスに転じた。国民1人当たりの年間消費量は23.1kg(0.5kg増、2.2%増)。金額ベースでは1兆949億円(4.9%増)に達した。