東洋水産 コロナ禍の環境変化に対応 即席袋麺で新たな挑戦開始 沖斉専務語る

社会現象となった即席袋麺「マルちゃん正麺」の発売から10年。東洋水産が即席袋麺で新たなチャレンジを開始する。沖専務が新製品発売の狙いなどについて語った。

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即席袋麺市場は、2011年の「マルちゃん正麺」発売以降、2013年をピークに市場全体が停滞していた。2020年度は、コロナ禍による外出自粛、リモートワークの拡大により内食需要が増加。袋麺市場も伸びを見せた。近年では、家族構成の変化や共働き家庭の増加を受け、家族消費から個人消費へとコンパクト化が進んでいる。当社で取り扱っている生ラーメン市場でも、2食パックの販売が増えると同時に高価格帯商品の購入が増えており、家庭内での食事に対し、おいしさや本格感がこれまで以上に求められるようになってきた。消費者のニーズが多様化し、よりこだわった高品質商品と、コンパクトな商品という新しいニーズが高まってきている。

こうした社会の変化を踏まえ、「マルちゃん正麺」の発売から10年が経過した今年、新たな袋麺として「マルちゃん ZUBAAAN!」を新発売する。当社で実施したモニター調査によると、即席袋麺は麺やスープに、より本格感を求める意見が多く見られた。また、お店のラーメンに求めるものは「本格感」と「おいしさ」である一方、「待ち時間」や「価格が高い」という不満がある。そこで、われわれが目指したコンセプトは、お家にいながらにしてお店品質のあの味が楽しめるラーメン、食べた瞬間、脳と心に響く、記憶に残るラーメンだ。

「マルちゃん ZUBAAAN!」は、食卓のコンパクト化にあわせた3食パックで、全国のラーメン好きな方々の志向にあわせた3つのフレーバー(背脂濃厚醤油、旨コク濃厚味噌、にんにく旨豚醤油)を発売する。使用している麺はそれぞれのスープに合うよう太さを変えた。すべての麺は新たに開発した技術を採用。熟成麺のような力強さとコシを持つ、お店で食べるような、いままでにない新しい麺になっている。

モニター調査の結果では、おいしさ、本格感で80%以上、ブランド全体の総合評価では86%以上と、高い評価をいただいた。「マルちゃん ZUBAAAN!」については、CMをはじめ、さまざまな施策を展開していく予定だが、まずは食べていただきたい。その瞬間、脳と心に響き、記憶に残るはずだ。「マルちゃん ZUBAAAN!」を通じ、袋麺の新ジャンルを確立し、新たな市場創造を目指す。