セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は7日の決算会見で、傘下の百貨店であるそごう・西武の売却も視野に入れた検討に入ったことを明らかにした。
同社の国内事業では、売上の6割強を占める食品事業を戦略的な成長領域と位置付け、コンビニ・スーパーストア事業の競争力を強化。PB「セブンプレミアム」を競争力の源泉とし、両事業を一体的に展開することで強みを発揮していく方針だ。
他方、株主の米バリューアクト・キャピタルは2月、成長分野であるコンビニ以外の事業から撤退することを同社に提案していた。
セブン&アイでは、同時に提案を受けていた社外取締役が過半数を占める経営体制への移行を発表するとともに、事業ポートフォリオの見直しも加速する方針を表明。米セブン-イレブン・インクとの連携を通じた国内外コンビニ事業の利益成長を図る一方で、継続的な価値向上が難しい事業については他社への譲渡を検討する。
昨年に実施したフラン・フラン株式の一部譲渡や今春のオッシュマンズ・ジャパンの全株譲渡など専門店事業の整理に続き、苦戦が続く百貨店事業のそごう・西武についてもストラテジック・レビューを実施中としている。
井阪社長はそごう・西武について「構造改革を進めながらも、並行してベストオーナーを探す。株式売却も含めた検討へのレビューに入っている」と明言した。
IYは手放さず
一方でスーパーストア事業の中核をなすイトーヨーカ堂に関しては、首都圏・大都市圏への集中と食のSPA化戦略に注力。これまで進めてきた事業構造改革を今期中に完遂する方針だ。
井阪社長は「一部からはIYの売却が企業価値向上に資するとのご提案をいただいているが、セブン-イレブン・ジャパンと同一グループであることが、加盟店を含むグループの将来に資すると確信している。引き続きコアビジネスモデルの磨き込みにまい進し、企業価値向上に努める」と強調した。