いつものコーヒーを置き換えるだけで腸活 「ブレンディ」の新商品「毎日の腸活コーヒー」に想定上回る引き合い

 味の素AGF社が3月2日に新発売した機能性表示食品の「〈ブレンディ〉毎日の腸活コーヒー」(以下、毎日の腸活コーヒー)が各流通のバイヤーから好評を博し想定を上回る店舗数に導入が予定されているという。

 取材に応じた桐山雅亘リテールビジネス部マーケティング第2グループ主任は「2年以上かけて開発し満を持して発売したためそもそも高い計画を想定していたが、大手流通様から腸活というコンセプトとネーミングの分かりやすさ、通常の『ブレンディ』と遜色ない味わいが受け入れられたことが想定を上回る引き合いの要因」と語る。

 同商品は、整腸効果を有するコーヒー豆由来の成分“コーヒー豆マンノオリゴ糖(コーヒーオリゴ糖)”を配合し「1日2杯を2週間飲んでいただくだけで大幅な“お通じ”の改善効果が得られるということと、『ブレンディ』のおいしさをそのまま味わいながら健康効果を得られる」もの。

「〈ブレンディ〉毎日の腸活コーヒー」(左) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「〈ブレンディ〉毎日の腸活コーヒー」(左)

 「ブレンディ」のおいしさをそのまま味わえる点がポイントで、この実現に2年以上の開発期間を要し、またこれが17年前の05年に発売したコーヒーオリゴ糖配合のトクホ商品と大きく異なるところとなる。

 前身商品については、「パッケージでトクホを前面に押し出したことでおいしさのイメージが湧きにくくなってしまい、トライアルにつながりづらかった。また、飲用いただいた方からも味わいに対して厳しい評価をいただく結果となり、なかなか定着にもつながらなかった」と振り返る。

 この学びを踏まえて「毎日の腸活コーヒー」は「開発研究所のメンバーとコーヒーオリゴ糖に合うインスタントコーヒーをゼロベースで見直し、パッケージデザインを含めて研究所と2年以上かけて試行錯誤して開発された」。

 機能性表示食品として発売したのもポイントで「機能性表示食品は“おいしく健康”のイメージが定着しつつある」との見方を示す。

 AGFは今年、「ブレンディ」「ちょっと贅沢な珈琲店」両ブランドのインスタントコーヒーの品質を改良した。

 両ブランドともに焙煎技術を進化させて「ブレンディ」は“カフェオレでもっとおいしく”を追求。コーヒーが持つ甘い香りをさらに引き出し、よりミルクのやさしい甘さが引き立つ味わいへと磨きをかけた。

 この「ブレンディ」全体の動きとあわせて「毎日の腸活コーヒー」もカフェオレを訴求していく。「冷たいミルクに溶けやすいといった『ブレンディ』の特徴もそのまま」と述べる。

 3月25日に放映開始した原田知世さんを起用した「ブレンディ」の新CMでは「心にゆとりが生じてやさしい気持ちになれることと、ミルクとあわせてミルクとコーヒーの甘い香りが引き立ったカフェオレが楽しめることを伝えていく」。

 「毎日の腸活コーヒー」のメインターゲットは、腸活に一際高い関心を寄せる20‐30代女性。

 「腸活ブームはかねてからあったがコロナ禍で加速した。検索サイトのトレンドでみると腸活の検索数はコロナ前と比較して3倍程度増加した。腸活は20‐30代女性を中心に幅広い年代に浸透しつつあり、美容・ダイエット・健康と結びつき、特にカラダの内側からの健康との結びつきが強く、免疫強化のイメージとも結びついている」とみている。

 中でも商機としては、腸活に興味はあるものの“継続するのが難しそう”“お金がかかりそう”という理由で腸活を実践したことのない層に見込む。

 「何か新しいものを食べたり生活習慣を変えるとなるとハードルが高くなってしまうが、『毎日の腸活コーヒー』はいつも飲んでいるコーヒーをこれに置き換えるだけといったハードルの低さがポイント。インスタントコーヒーは値ごろ感もあり継続しやすいのもウリ」と自信をのぞかせる。

 コミュニケーションはコアターゲットである20-30代女性がよく利用するインスタグラムをメインに活用予定。
店頭ではミルクマッチ訴求の一環で、牛乳をベースに植物性ミルクとのクロスMDを強化していく。

 他社の腸活を訴求した商品とともに売場を盛り上げる動きにも期待を寄せる。
 「『ブレンディ』『ちょっと贅沢な珈琲店』のインスタントコーヒーはともにコロナ禍で若年層の新規ユーザーを獲得している。新商品でこの動きを加速させてコロナ以降も市場を活性化させていく」と意欲をのぞかせる。

 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)