「現在、2025年を目標とする中期計画を実行している。西友はEDLPが強みだったが、それをさらに強化しつつ、価格以外の『品質』『健康』ニーズなどにも対応していく。小売業の二本柱と考えている商品開発力と販売力の強化、製造小売業化を進め、ネットスーパー、デジタルマーケティングも強化し、ネットスーパーで№1、デジタルマーケティングで№1を目指す。これが達成できた時、(西友は)食品スーパーで№1になれるだろう」。西友楽天ネットスーパーのOMO戦略発表会で、大久保恒夫社長が西友の現状と今後の取り組み方針について語った。
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2021年は、ウォルマートの子会社となって以来、過去最高益を出すことができた。EBITDA(米国会計基準)は419億円。売上比で5.7%だ。2020年はコロナ禍で売上が増えたが、これは特殊な事例。2021年は無理に売上を追わなかったため、売上高は7千373億円と少し落としたが、基盤整備、利益が出る体質にできたものと考えている。2022年の目標は売上高7千562億円、前年比2.6%増。営業利益は日本会計基準で前年比3%増の226億円。2022年はネットスーパーを強化する。西友には実店舗があり1日100万人以上のお客様が来店されるが、楽天は「楽天エコシステム(経済圏)」と言われるように多くの会員がいらっしゃる。楽天と一体になってデジタルマーケティングを強化し、日本を代表するOMO(Online Merges with Offline)リテーラーを目指す。
楽天西友ネットスーパーは、店舗出荷型と倉庫出荷型がある。店舗出荷型は現在124店舗。すでに多くの店舗が黒字化した。倉庫出荷型は2018年に柏(千葉県)、21年に港北(神奈川県)、22年茨木(大阪府)で開始した。23年に松戸(千葉県)というように続々と開発している。2021年の流通総額(店舗出荷+倉庫出荷)は前年比26%増、倉庫型が同79%増という大幅な伸び。2024年には流通総額1千億円を達成することができるだろうと考えている。店舗出荷型は、実店舗の品質、ロイヤルティが重要。それをもとにネットスーパーを拡大していく。店舗出荷型(の利用者)は、店舗周辺にお住まいのお客様が多いが、首都圏、関西圏は倉庫出荷型で押さえていこうと考えている。店舗出荷型と倉庫出荷型により面で押さえる。楽天と組むことで、これまで以上に面で押さえることが可能になると考えている。
西友の店舗で楽天ポイントが使え、貯まるようになり、楽天IDと統合されることで、お客様とのコミュニケーションが密にできるようになると考えている。西友が楽天経済圏に加わることで、どの程度の利用者数(西友店舗での目標)を考えているかと言えば、2022年の楽天ポイントカード利用者数500万人超、2025年700万人超、アプリのダウンロード数は2022年120万超、2025年500万超を目指す。顧客層も拡大していきたい。
西友の実店舗では(来店客の)高齢化が進んでおり、50~70代がメーン。ネットスーパーは30~40代が中心。ネットスーパーやデジタルマーケティングで客層を拡大していければ、企業の発展につながるものと考えている。実店舗は人口減、高齢化、競争激化で売上を伸ばすのは厳しい。デジタルマーケティングで伸ばしていく。