19年10月から全国発売したレモンサワー専門ブランド「檸檬堂」で、アルコール飲料市場に参入を果たしたコカ・コーラシステム。売価100~110円ゾーンが主流だった市場で138円前後の価格帯形成に成功し、同ブランドの21年販売金額は前年比7・5%増(インテージSRI)。伸び盛りのレモンフレーバーがひしめくRTD市場で、急速に存在感を増している。
「コロナ前までは、忙しい毎日の中、さくっと酔いたいというコスパ重視の傾向があった。時間のゆとりができたことで、(家飲みの)質をより高めたいというニーズが顕在化、定着しつつある」(日本コカ・コーラマーケティング本部・名郷根宗氏)。
ただレモンサワーはハイボールなどと比べ、酒を週1回以上飲む層への定着余地がまだ大きいとみて28日からは新フレーバーを追加。発売する2品は、酒好きなユーザーを満足させるため研究を重ねて生まれた自信作だ。
「檸檬堂 無糖レモン」は甘みを一切加えずに、厳選した複数のレモン果汁をブレンド。度数9%。すっきりした味とレモン感を両立させ、食事に合う甘くない味わいを求める40~50代男性を中心とした層にアプローチを図る。
「うま塩レモン」はコクのある瀬戸内の塩が隠し味。度数7%。レモンと絶妙に調和したまろやかなうまみを楽しめる、リラックスタイム向けの一品。
いずれも350㎖缶と“ホームランサイズ”の500㎖缶をラインアップ。既存の「はちみつレモン」「鬼レモン」もパッケージデザインをリニューアルして発売する。SNSを中心としたコミュニケーションで、ユーザーの間口と裾野を広げる。