キユーピーは17日、卵の彩り、食感、風味を再現したプラントベースフード「HOBOTAMA(ほぼたま)」の市販用商品を投入。まずは東京都、神奈川県、千葉県の一部エリアを対象に通信販売し、順次販売エリアを拡大する。
今回投入するのは「加熱用液卵風」と「スクランブルエッグ風」で、内容量はどちらも卵1個分相当の60g。賞味期間は冷凍12か月で、価格は「加熱用液卵風」が182円、「スクランブルエッグ風」が214円(いずれも税込み)。
新開発の「加熱用液卵風」は、色調や風味が合うことを理由に脱脂アーモンドパウダーを原材料に使用。卵の食感から溶き卵が加熱すると固まる物性までを再現している。オムレツや卵焼き、チャーハンのほか、パンケーキ、クッキー、豆乳プリンなどに用いることができる。豆乳加工品ベースの「スクランブルエッグ風」は業務用商品の配合と製法を踏襲。半熟状のスクランブルエッグのような見た目と食感を楽しめ、マフィンサンドやオムライスなどに利用できる。
たんぱく質の含有量は卵と比較すると「加熱用液卵風」が3分の1、「スクランブルエッグ風」は5分の1ほどだが、卵にはない食物繊維などの栄養素も含まれている。将来的な方向性として「アレルゲン以外、可能な限り卵に近づけるべく開発を進めている」(新規市場開発室・伊藤綱規次長)と機能向上にも意欲をみせている。
「HOBOTAMA」は昨年6月、業務用商品として発売。植物由来の原料を使用しているにもかかわらず卵らしさを楽しめる商品として、ホテルや飲食店などのほか、保育園や幼稚園の給食などでも採用が進んでいる。一般客の反響も大きかったことから、同社では市販化に向けた商品開発を進めてきた。
14日に開かれた発表会で家庭用本部の田川篤志本部長は「食物アレルギーやさまざまな事情で、どうしても卵を食べられない方がいる。こうしたお客様にも卵のおいしさと魅力をお届けしたい。市場開拓を進め、5年後にはPBF商品全体で売上高5億円の規模に育てる」と明確な目標を掲げた。