青い色素を作る遺伝子がないため、これまで作ることが不可能とされてきた天然のブルーローズ。近年では、長年の夢を実現するため育種家たちによる品種改良が進められ、さまざまな品種が誕生している。しかし、鮮やかな色へのこだわりを優先した結果、病害虫に弱く栽培が難しいという課題は残った。
その中で、わさび加工品を製造販売しながら、わさびの健康や美容の有効性について研究を進めてきた金印では、15年から新しい素材への挑戦として天然ブルーローズの研究栽培を北海道網走市で開始。害虫は少ない地域だが、厳しい寒さに耐えられる種を探す必要があり品種選定は難航。バラ育種の第一人者・木村卓功氏の指導を受けるほか、栽培が難しいといわれる本わさびで培った高度な育種・栽培技術でいくつもの課題を乗り越え、ついに安定的な栽培が可能になった。
揮発性の高いわさびの繊細な香りを扱う技術も駆使することで21年4月には、天然ブルーローズの化粧品、食品用原料素材「オーラムブルー」を発売。液体の「ブルーローズウォーター」、粉末の「ブルーローズエキス」、特徴的な香りを再現した「ブルーローズ香料」を製品化。
さらに、新素材を使った同社で初の製品も開発。機能性表示食品の栄養ドリンク「Re time」を今年発売した。「オーラムブルー」に加え、「肌のうるおいの維持」「お通じを改善する」機能性関与成分・植物性乳酸菌K-1、ツバメの巣エキス、低分子ヒアルロン酸、植物性セラミド、L―プロリン、ビタミンB群の7つの美肌成分が含まれている。
ブルーローズの花言葉は「夢かなう」。寝不足や疲労に負けずに夢に向かって頑張る人たちを体の内側から応援する。
発売に先行して昨年11月に実施したクラウドファンディングでは、女性を中心に支援の輪が広がり目標金額を達成。今年2月からは、自社サイトでの通販もスタートしている。今後は、量販店やコンビニ、ドラッグストアなどでも順次、販路を広げていきたい考え。