ローソンはカスタードのおいしさを追求したスイーツを続々投入していく。
卵に特化した専門店の増加傾向が背景。
9日取材に応じた東條仁美商品本部ベーカリー・デザート部シニアマーチャンダイザ―は「カスタードクリームは従来から支持されている人気アイテムではあるが、ここ数年で卵の専門店が増え始め、特に昨年頃から、有名な洋菓子店屋が卵の専門店を出店するなどその傾向が強まっている」と説明する。
カスタードはローソンが強みとするクリームに次ぐチャレンジとなる。
「当社は牛乳屋さんが発祥というところもあってクリームのこだわりを非常に強く押し出している。看板商品の『プレミアムロールケーキ』は圧倒的においしいクリームを追求して200回以上の試作を経て誕生したもの。これまでに5回のリニューアルを実施し『プレミアムロールケーキ』のクリームだけを発売したこともあった」と振り返る。
ローソンでは、コンビニスイーツの火付け役となった「プレミアムロールケーキ」を皮切りに「Uchi Cafe Specialite(ウチ カフェ スペシャリテ)絹泡クリームの苺ショート」「同 澄(すみ)ふわマリトッツォ」「台湾カステラ」「おぼれクリームのパンケーキ」といったクリームを楽しめるスイーツを多く展開している。
今期(2月期)は、クリームでみせているのと同じこだわりを持ってカスタード商品を続々と投入していく。
「クリームからのシフトというよりは、カスタードクリームの波が追加できている」とみている。
第1弾は、カスタードを使用したメニューの中で人気の高いシュークリームとプリンで、3月14日に「生カスタードシュークリーム」(税込150円)、15日に「埋もれるショートケーキプリン」(税込350円)を発売する。
「『生カスタードシュークリーム』は約半年で1000万個の販売が目標。4月以降の同商品の横展開を考えている」と意欲をのぞかせる。
カスタードはいずれも卵を追求。
魚粉を含むエサで育てられた鶏の甘みとコクが強い卵と、鮮やかな黄色を打ち出すためにマリーゴールドを含むエサで育てられた鶏の卵の使用を基本としている。
これをベースに「生カスタードシュークリーム」は、低温でじっくりと炊き上げることで卵感がしっかりと感じられる仕立てのカスタードに、コクと乳味感のある北海道産生クリームと甘く豊かな香りのマダガスカル産のバニラビーンズをあわせたカスタードクリームを使用。
シュー生地は「カスタードを堪能していただくため、あえて薄い仕立てにしている」。
一方、「埋もれるショートケーキプリン」は、こだわりの卵と北海道産牛乳を合わせて焼き上げたカスタードプリンの上に、スポンジ生地、苺ソース、北海道産生クリームや北海道産牛乳を使用したホイップクリームを重ねたものとなる。
「ほどよい酸味のある苺をまるごと1個トッピングすることで、より食べ飽きない、いろいろな味わいが楽しめるように仕立てられている」という。