業務用塩 輸入品も値上げ相次ぐ 第一商事が卸価格改定へ

業務用塩市場では各社が昨年から価格改定を発表しているが、第一商事(兵庫県神戸市)も4月1日からメキシコ産天日塩の全塩種の卸価格を引き上げる。同社は輸入塩を原料に粉砕加工し、業務用で販売する有力企業。食品ルートでは塩元売業者を通じ、漬物、しょうゆ、水産加工メーカーへ販売している。

今回の価格改定はエネルギーコストの急騰や物流コスト高、為替の変動などによるもの。経営の合理化などで対応してきたが、諸コスト高を吸収しきれなくなっていた。

輸入原料を扱う業務用塩メーカーではすでに日本食塩製造、日本精塩、エヌエムソルトが価格改定を発表しており、同社で4社目。いずれのメーカーも原料塩の契約更新を来年1月に控えているため、年内での暫定的な価格改定とみられる。

国内の大手メーカーはもちろん、コロナ環境下では輸入塩も海上輸送費や人件費などの諸コスト高で商環境が厳しくなっている。業界関係者は「来年1月以降、さらに値上げしなければならなくなる」との声で一致している。