コカ・コーラがマイボトルの給水サービスを試験展開 廃棄物ゼロ社会の新たな柱に「容器の再利用促進」掲げる

 コカ・コーラシステムは22日、マイボトルなどの容器の再利用を推進していることを明らかにした。

 ザ コカ・コーラ カンパニーが11日に発表した新たなグローバル目標「2030年までに再利用可能な容器を25%にする」に合致する動きで、廃棄物ゼロ社会の実現に向けて、全てのペットボトル(PET)を100%サスティナブル素材に切り替えるリサイクルや軽量化・ラベルレスといったプラスチック使用量削減と並ぶ新たな取り組みの柱となる。

 この新たなグローバル目標ついて、22日発表した日本コカ・コーラの田中美代子広報・渉外&サスティナビリティー推進本部副社長は「発表されたばかりで、世界各国でどのくらいの数値にするか詰め切れていない。我々(日本)は、ボトラー各社と30年までにどのような形で貢献できるかこれから鋭意相談していく」と説明する。

 現在、コカ・コーラ全世界でポートフォリオ全体に占める再生容器可能な容器の比率は容器数ベースで15.9%。

 これはリシーラブル容器比率13.8%にディスペンサー比率9%を加味した数値で「これを30年までに25%へ引き上げるためかなり厳しい目標となるが着手していく」。

 この目標の発表に先立ち、日本では19年に部門横断のメンバーで構成されたパックレス・ウォーター・プロジェクトチームを立ち上げ、マイボトルを持参すると5種類の水・お湯・炭酸水が有料で給水できる新サービス「bonaqua Water Bar(ボナクア ウォーターバー)」(以下、ウォーターバー)を開発した。

 同プロジェクトの旗振り役である日本コカ・コーラの薄井亜希子マーケティング本部 ウォーター事業部シニアブランドマネジャーは、ウォーターバーの開発背景にマイボトルの保有率が年々高まっていることと水の飲用に関するペインポイント(悩みの種)を挙げる。

 ペインポイントは4つあり「1つ目は値ごろ感で、水は毎日の生活に必要なものだけど、できれば支出を抑えたいと考えていることが分かった。続いて安全で確かな品質の水を入手したいアクセスビリティと飲料のストック場所や飲用後の容器の処理に関する不満。4つ目は自分にあった容量や温度帯に対する選択肢がなかなかないこと」と説明する。

 ウォーターバーはこれらの不満解消を目指したもので、マイボトル洗浄機が併設されている点や強炭酸・弱炭酸の2種類の炭酸水を給水可能とした点が大きな特徴となっている。

 昨年6月から日本コカ・コーラ社内を皮切りにウォーターバーのパイロットテストを展開。昨年12月には初の外部テストとしてユー・エス・ジェイで実施し、続いて直近の2月18日にタイガー魔法瓶でも開始された。

 パイロットテストの価格については、マイボトルを持参すると給水1回あたり60円。マイボトルを持たない人向けに紙コップを用意し、紙コップ利用の場合は給水1回あたり70円で販売する。

 今後については「両社のオペレーションテストからサービスの改良ポイントを探り、さらに改良を進めていく。そして規模の拡大を見据えた次のステップにつなげていきたい」と意欲をのぞかせる。