“味変”で差別化提案 PBFにも効果 モリタ食材開発研究所

モリタ食材開発研究所(大阪市)は同社の“味変”技術を活用し、既存商品の香味を改善する提案を食品メーカーに向け行っている。「コロナ禍で自社商品を見直す時間ができ、味や香りをより良くしたいというメーカーからの相談が増えている」と守田悦雄社長は話す。

こうしたニーズに対し、同社では既存商品のレシピを変えることなく、同社の技術を融合することにより改善を提案。

例えば、ミルクティの牛乳の風味やバニラアイスのバニラのコクを増すなど、カロリーや糖度を変えることなくちょっとした変化をもたらすというものだ。

コクや香りを豊かにする一方で、匂いを抑える技術も活用する。注目されるのが昨今、認知度が高まっている大豆ミートなどのプラントベースフード(PBF)。参入するメーカーは増えているが、原料の匂いを抑えるのに苦心することが多いという。

同社はこれまでも肉・魚やゼラチン、酵母エキスなどさまざまな素材の匂い改善に取り組んできた。PBFについてもこれまでのノウハウを生かしながら、匂いの抑制を実現している。

同社は現在、市販されているあらゆる分野の商品を対象に味変の実験に取り組んでおり、300を超える商品で効果を確認した。新技術・商品企画提案室の大谷友香室長は「メーカー各社は味覚センサーを導入しているが、機械に反応しないような味や香りが気になるという声をいただく。今の味を大きく変えたくはないが、ほんの少しだけ改善したいという要望が強い」と説明する。

守田社長は「メーカーが最高の技術で完成した食品を、さらに向上させる技術であり、差別化できる商品づくりに寄与し共存共栄を図りたい」としている。