茶葉のおいしさ「見える化」 品質推定にAI 画像解析を活用 伊藤園

伊藤園は、マクタアメニティ(本社・福島県伊達市、幕田武広社長)が持つ「おいしさの見える化」技術を使ったAI画像解析による荒茶の品質推定技術を開発し、今春から同社が展開する茶産地育成事業の一部産地で試験運用を開始する。

従来、お茶の品質評価は嗜好品であることなどから官能検査によって行われてきた。しかし、官能検査技術の習得には長い年月を必要とすることから、専用の成分分析機器を使用して客観的な品質評価を行う手法も確立されている。ただ同機器は高額なため、規模が大きい生産農家でないと導入が難しい。今回、試験運用する技術は、手持ちのスマートフォンで撮影した画像をクラウド上でAI解析するもので、簡便かつ安価に荒茶の成分(旨み成分であるアミノ酸など)の状態を推定できるようになる。

国内荒茶生産量の約4分の1を取り扱っている伊藤園は、独自の持続可能な農業モデル「茶産地育成事業」を展開する。今回開発した技術は、茶農業のさらなる発展と普及に向けた施策の一つ。同社は、農業に深く関わる企業として、引き続き安心・安全で高品質な緑茶原料の安定調達と日本農業の課題解決の両立に取り組むことで、持続可能な農業の推進に貢献していく。