型破り!2か国ブレンドも 「メルシャン・ワインズ」 市場再拡大へ未知の魅力発掘

ワイン市場の再拡大へ、メルシャンの新しい挑戦が始まる。新ブランド「Mercian Wines(メルシャン・ワインズ)」。既存の発想にとらわれず、ワインをもっと自由に楽しめる魅力ある飲み物にする。

「ワイン市場は低価格にシフトするなかで価格競争に陥り、コモディティ化が進む。若年層を中心に魅力がまだ伝えきれていない。メルシャンは創業当初から、自社だけでなく全体を見ながら業界をけん引する思いで活動してきた。原点に立ち返り、新しいワイン文化を作る思いで経営していきたい」(2日の方針説明会で長林道生社長)。

昨今の在宅時間増加から、家庭での生活に特別感を求める消費者が増加。「贅沢な気分」を求められることが多いワインにチャンスが生まれている一方、産地やワイナリーなどの違いの把握が難しく、新しいワインに手が伸びづらいと感じる消費者が多いことがグループのキリンビールの調査で分かった。

「メルシャン・ワインズ」は世界のワイナリーとタッグを組んで作り上げた輸入ワインの新ブランド。手ごろな価格で高品質を楽しめる「クオリティ」、新しい体験で好奇心をくすぐる「ディスカバー」、上級者向け「ラグジュアリー・コレクション」の3シリーズ。

「ディスカバー」から3月1日に発売する「メルシャン・ワインズ ブレンズ パーフェクト・ブレンド レッド/ホワイト」(各750㎖瓶、オープン価格)はスペインとオーストラリアのワインをブレンドする大胆な試みから生まれた。「ディスカバーのコンセプトは『こんなことやるの!? 面白いね』という驚き。国と国とを掛け合わせることで、新しい味わいが生まれるのではと考え付いた」(山口明彦マーケティング部長)。

また「ラグジュアリー」から3月8日に発売する「メルシャン・ワインズ ボルドー」(同)は、日本人にも飲みやすく、より果実味が前面に出た新スタイルのボルドー。気鋭の造り手ジュリアン・マンゴー氏と作り上げた意欲作だ。

「ボルドーでは、伝統があるだけに思い切ったことができないと悩んでいる生産者も。『メルシャンに背中を押してもらった』という言葉をいただいた」(山口氏)。

「メルシャン・ワインズ」を中心にさまざまな商品でユーザーの裾野拡大を図り、今年はワイン合計で前年比104%(585万箱)の販売を計画する。