農林水産省のまとめによれば、21年の農林水産物・食品の輸出額は前年同期比25.6%増の1兆2千385億円となり、政府が当面の目標としてきた「年間1兆円」を初めて達成した。当初目指していた19年の達成には2年遅れたが、大きく伸びた昨年はようやく到達した。
コロナ禍のもとでECなど新たな販路への販売が堅調だったことや、中国や米国の経済が回復に向かい外食需要も回復してきたことで、多くの品目で輸出額が伸長。このうちウイスキーは70%増。ジャパニーズ・ウイスキーの世界的な知名度向上で、中国向けの単価上昇や欧米向けの家庭需要増加が寄与した。ホタテ貝(104%増)、牛肉(86%増)なども大きな伸びを示した。
カテゴリー別の内訳は農産物8千43億円(22.8%増)、水産物3千16億円(32.5%増)、林産物570億円(32.9%増)、少額貨物は756億円(25.3%増)。輸出先国・地域別では1位が中国、2位が香港、3位が米国だった。
政府では、25年までに2兆円、30年までに5兆円とする輸出目標を掲げている。達成には平均して毎年17%程度の拡大が必要となる計算だ。