コロナワクチン用冷蔵庫の普及にも一役 家電や業務用機器も担い成長し続ける物流会社 進化の鍵は高性能コーヒーマシンにあり 三井倉庫ロジスティクス

新型コロナウイルスのワクチン接種に欠かせないのが、ワクチンを保管する超低温冷蔵庫。

三井倉庫ロジスティクスは、受注した国内メーカーの在庫保管から配送の一翼を担い、将来的には保守や回収などのアフターサービスにも挑戦しようとしている。

取材に応じた松川健一執行役員は「物流は社会インフラとして欠かせない存在で“物流を止めない”を第一命題に取り組んでいる」と語る。

同社最大のウリは、各業界の様々な機器に関するテクニカルサービスのノウハウとロジスティクスをかけあわせた「テクニカルロジスティクス」というビジネスモデルとなる。

同社の起源は大手電機メーカーの物流会社。

コンビニや外食チェーンでの冷蔵庫・ショーケースの運搬・設置で実績を積み重ね、現在では「店舗で使用する様々な機器の搬入設置やアフターサービスの一元管理にとどまらず、消費財の調達から供給までのサプライチェーンのあり方からロジスティクス改革までを提案している」。

コロナ禍の現在、そのビジネスモデルの領域を医療介護・教育の分野へと拡大している。

その際の技術面の核となるが、高性能業務用コーヒーマシン「FRANKE」の取扱いで蓄積されたノウハウとなる。

コーヒーマシンに搭載される双方向型IoT機能を活用し、マシン状況をリアルタイムに把握しメンテナンスサポート精度の向上につなげており、ここで蓄積されたノウハウは他に転用することが可能だと考えている。

スマートグラスを活用したコーヒーマシンメンテナンス。 家電や機器の搬入・設置に加え高度化するテクニカルサービスも展開。(三井倉庫ロジスティクス)
スマートグラスを活用したコーヒーマシンメンテナンス。 家電や機器の搬入・設置に加え高度化するテクニカルサービスも展開。

双方向型IoT機能にはさらなる広がりを見込む。

「機器のパフォーマンス状況やお客様の利用状況を遠隔から取得できるため、他の家電や業務用機器に広がっていくとみている。ビッグデータを活用して、お客様のマーケティング活動のサポートや物流やアフターサービスを高度化するためのアイデアを提案していきたい」との見方を示している。

医療介護分野では、昨年、東北地方の医療・介護事業者の一部業務を受託。

「医療介護の現場を支えている事業者様が扱う様々な機器の在庫管理に加え、このほど、医療介護現場から返ってきた機器を修理・洗浄する機能を併せ持つテクニカルセンターを当社の拠点の中に設けた」とし対応できる領域を広げている。

医療介護機器の一例は、介護用ベッドや測定器、手すりなどの歩行アシスト関連。

「ハイテク化が進んでおり、それらの修理や洗浄は難しい領域だが、当社が担わせていただくことで、事業者様には営業に専念、あるいは、訪問してお客様の様々なニーズを聞き取るほうに注力していただきたい。また、家電の宅配設置や設置時に必要な電気工事を手掛けることができるグループ会社を擁していることから医療介護機器の搬入設置も担っていきたい」と語る。

教育分野では、政府が推進するICT(情報通信技術)を活用したGIGAスクール構想の一翼を担っている。

「商社様から授業で使用するパソコンの充電保管庫をお預かりして、各学校の納期・スケジュールにあわせて搬入・設置する仕事を昨年から本格的に展開したところ、GIGAスクール構想への貢献が認められ、つい先日、商社様からアワードを受賞した」という。

快適な社会生活を支えるテクニカルサービスの提供(三井倉庫ロジスティクス)
快適な社会生活を支えるテクニカルサービスの提供

三井倉庫ロジスティクスは、内閣府が推進する仮想空間と現実空間を高度に融合させた人間中心の社会「Society5.0(ソサエティ5.0)」に貢献すべく、社会的問題・課題の解決を担える物流会社への発展を目指している。

宅配の再配達という問題に対しては、コンビニなどが導入を進めている宅配ボックス「PUDOステーション」の設置やアフターサービスを手掛けて貢献している。

今後は「人間中心のソサエティ5.0に対してどうサポートしていけるかを引き続きしっかり考えていき、様々な新しいビジネスモデルやソリューションをマーケットに供給していきたい」と意欲をのぞかせる。