大物 上期、物流費抑制進む 日阪社長「信頼関係を生かす」

食品卸・大物(大阪市)の上期(10-3月)売上高は前年比103%で着地。業態別の伸び率は卸が102%(構成比74%)、小売が103%(同17%)、貿易その他が114%(同9%)。商品別では調味料と瓶缶詰を除く、飲料、嗜好品、麺・でん粉などの各カテゴリーで前年を上回った。

〝販売利益の改善・自社配送による物流費の抑制〟という今期掲げる2つの課題を実践し、物流費を前年比83%に抑え、売上総利益は102.6%に拡大。経常利益は110%を超え計画を達成した。

日阪俊典社長は「消費増税でスタートし商流の落ち込みが大きかった中、売上は計画におよばなかったが及第点と言える。利益に関しては2つの命題に取り組んだ成果が着実に出てきた」と振り返る。

ただ、下期は新型コロナウイルスの影響が避けられず先行きは不透明だ。3月以降の状況について日阪社長は「得意先からの販売ニーズが非常に強まっている。一方でメーカーさんからの出荷調整は段々と厳しくなり、仕入に大変苦心している。大手小売業に比べ、われわれ地域卸やその得意先の小売業への供給は十分ではなく、売場での欠品を招いている」と現状を指摘する。

こうした中で「アンテナを高くし需給動向をきちんと把握しながら、ニーズに応えるべく対応しなければならない。そのためにも、われわれが一番の強みと自負するメーカーさんとの信頼関係をしっかり生かすことが大事」としている。

「社員の不安低減へ努力」

日阪社長に新型コロナ対策として、同社の働き方について聞いた。

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リモートワークや3部制のフレックス勤務などを導入し、なるべく会社にいる時間を抑えることで、各社員の精神的な不安を低減するよう努めている。

ちょうど今年の2月から、顧客・販売管理などの情報を共有できる営業支援システムを導入した。お客様とのフェイス・トゥ・フェイスの営業は重要だが、それをより効率的に進めるためにもこうしたツールが必要だ。フレックスの良さも実感しているので、これを機会に継続し生産性の向上につなげたい。

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