食産業の海外展開加速へ 構造推進プランを策定 輸出・投資の一体的推進など

「グローバル・フードバリューチェーン推進官民協議会」は、GFVC戦略(平成26年策定)に基づき、産学官が連携し、日本の食産業の海外展開を通じたフードバリューチェーンの構築を推進するため、農水省が平成26年6月に設置した官民協議会。今年12月現在で450社・団体を超える民間企業、関係機関などが参画。民間企業が海外展開を進める上で有益な各国のビジネス投資環境や支援ツールなどさまざまな情報の提供や、官民参加の二国間政策対話・フォーラムの実施などを通じ、民間企業の事業展開を支援している。

こうした取り組みにより、食関連産業(食料品製造業・飲食サービス業)の海外売上高は2017年度に5兆9千億円に達し、GFVC戦略の目標値として掲げた2020年度海外売上高約5兆円を前倒しで達成するなどの成果を示しているが、「グローバル・フードバリューチェーン構築推進プラン」を策定・実践することで、これまでの5年間のGFVC推進官民協議会の活動で得られた知見などに基づき、FVC構築を通じた国内食産業の海外展開を一層加速化させる狙い。

推進プランでは、国内企業の海外進出状況やFVCの発展段階を踏まえ、主な国・地域ごとに企業支援の取り組みを重点化し、国内企業の海外展開の促進を図る考え。特に「輸出と海外展開の一体的な推進」「地方の中小企業の海外展開の支援」「複数企業の連携による海外展開の推進」を重点的に取り組む。

「輸出と海外展開の一体的な推進」は、国内農林水産物や食品のさらなる輸出拡大には、小売や外食など、食産業の海外展開(投資)との一体的な取り組みが有効と考えられることから、日本食・日本食品の展開を軸に、輸出と投資の一体的な推進に取り組む。

「地方の中小企業の海外展開の支援」では、優れた技術を有する農業生産者や食品加工業者は地方にも多く所在することから、地方でのセミナー開催、企業連携への参画の支援などを通じ、地方企業の海外進出を促進する。

「複数企業の連携による海外展開の推進」では、複数の日本の技術やノウハウやパッケージで展開することが効率的とし、農水省が主導的役割を担い、海外展開したい複数企業の集合体(コンソーシアム)の形成・計画策定を支援。複数企業の連携による海外展開を推進する。

こうした取り組みを進めることにより、今後5年間でGFVC推進官民協議会のメンバー企業・団体数を800社・団体(令和元年10月現在454社・団体)、協議会メンバー企業の海外進出数を200社(同124社)まで増加させ、食産業の海外展開を促進させる。

少子高齢化や人口減少により国内の食市場が縮小する見込みとなる一方、海外の食市場は、世界的な人口増、所得向上などに伴う食生活の変化により拡大。農林水産政策研究所の推計(平成31年3月)によれば、2030年における世界34か国・地域の飲食料市場規模は1千360兆円と、2015年の1.5倍に増加。このうち中国やインドを含むアジア地域の市場規模は420兆円から800兆円と1.9倍に拡大すると見込まれている。