サプライチェーン最適化へ食品流通全体で議論を 三菱食品・森山社長

非競争領域はオープンに

三菱食品の森山透社長は1日の決算会見の席上、メーカーの翌々日納品拡大の動きについて「現状では卸が在庫を持って対応しているが、予備在庫の負担が増し、倉庫の問題や廃棄リスクが発生する可能性もある」と指摘した上で、「翌々日納品だけを切り取った議論ではなく、メーカーにはパレット納品やASN(事前出荷データ)の利用拡大、小売側にも納品回数や納入時間、納品形態など複合的に議論している。物流や食品ロス削減の課題解決に向けて、メーカー、卸、小売が一体となって取り組みを進めることが重要」と語った。

物流ドライバー不足などの課題に対して、大手食品メーカーを中心に翌々日納品の動きが広がりつつあるが、卸側では在庫負担やスペース確保などの課題が浮上している。メーカー側ではドライバー手配がしやすくなるなどのメリットがあるが、卸-小売間では翌日納品が定着しており、卸側にしわ寄せが広がる可能性がある。

深刻化するドライバー不足や食品ロス削減に向けては、メーカー・卸・小売のサプライチェーン全体での議論・取り組みが欠かせない。

森山社長は「15年前はCVSでは店舗納品時の検品が当たり前だったが、物流精度の向上で今ではノー検品が定着している。店舗段階だけでなく、メーカー・卸間でもパレット納品や事前出荷データの共有によって改善が進んでいる。こうした事例をさらに広げていきたい」とした。

さらに、デジタル技術やAIを活用した自動発注など、サプライチェーン全体の改革を進める上で「商品情報やコード体系の標準化がより重要になってくる。こうした非競争領域の取り組みを業界全体で進めていく必要がある」との認識を示した。

また、来年の東京五輪開催時の配送規制が懸念されることについては、「日中の配送便については支障が出る可能性がある。9月の実証実験で見えた課題や今後の対応について、すでに得意先や業界団体との検討を開始している」ことを明らかにした。