排水処理効率化で食品工場の課題解決 「いい環境を残す」軸に開発 オメガ・中村信一社長

オメガ(大阪市平野区)は特殊セラミック電極を用いた電気分解技術をコア技術とする水処理・環境機器開発販売会社。化学的・物理処理により食品製造・加工工場から出る工場排水を効率的に処理できる複合処理システムを食品業界に向けて提案する。化学的・物理的処理の優位性、日本が抱える排水処理の課題とは。中村信一社長に聞いた。

注目高まる化学・物理的処理

最近では、大手食品メーカーを中心に「活性汚泥処理(微生物活動を利用した処理)をやめて化学的・物理的処理に切り替えたい」という相談が増えた。人手不足への対応やコスト低減を掲げている食品製造・加工工場において、経験やノウハウが必要な活性汚泥処理に比べ、安定して効率的に排水を処理できる化学的・物理的処理の注目は高まっている。

また、化学的・物理的処理の注目する点はコストや人手削減、効率化だけではない。その背景には食品を構成する成分が複雑化、高密度分子化する中、微生物で処理しきれるのかなどの懸念や疑問があるといえる。このような世界の動向を踏まえて日本はどう動くのか。食品業界でも環境を保全していくという観点も踏まえた変革が求められているのではないか。

当社が提案する工場排水処理は、水中の有機物などを分解・浄化する工程と、独自開発したセラミック媒体で水中の有機物を集約し低酸素濃度下の900~1千100℃域の高温炉内で即時に熱分解する工程を組み合わせた複合処理である。自動制御で物理的・化学的に油分や水質汚染の指標であるCOD成分の処理が可能であるため、活性汚泥処理に比べ人的要素や外的要因によって処理能力が左右されることがなく、汚れの濃度に合わせて適正に排水処理できる点がメリットだ。

先般、1日に400kg程度のCOD成分を処理できる大型機を発売、大手食品メーカーでテスト運行をスタートした。それに伴い、排出される水質が変化した際に、現状のプログラミングで不具合なく処理できるかテストすることを目的とした超小型機(1日のCOD成分処理能力2kg)を開発。今後、大型機を導入していただいた得意先に向けた提案を行っていく。

また、1日のCOD成分の処理能力が100kg程度の中型機の開発を現在進めている。完成すれば中小企業向けにも提案可能だ。排水を適切に処理していかなければ、汚水は海に流れつき環境を汚染する。われわれは今後も「いい環境を将来に残す」という思いを開発の軸に置き、コスト削減や人手不足解消といった得意先の課題解決ができる製品を提案していく。