中元・歳暮ギフト市場が縮小する中、スティックギフトが好調だ。スティック市場でトップシェアを握る味の素AGF社によると、昨年中元期のスティックギフト市場は前年比10%増を記録し、AGFは同市場の伸びを5ポイントほど上回ったという。
AGFのスティックギフトを担当する酒井詠子リテールビジネス部ギフトグループ主任は「スティックギフトは競合商品を含めて、ここ5年ずっと伸びている」と語る。
その好調要因としては、1杯分ずつ個包装されパーソナルニーズの高まりに対応していることや、家庭内でのスティック飲用機会の増加を挙げる。まず自分が使ってみて便利さやおいしさを実感し、それを贈答先にも感じてもらいたい動きが強まっているとみている。
少子化を背景にした贈答先世帯の子供の加齢も追い風になっている。子供が成長するにつれて、洋菓子やジュースといったギフトから、大人も子供も楽しめるスティックギフトへの流入も進んでいるという。
AGFでは、この流れを加速させるべく今中元期に新商品を投入。売れ筋ナンバーワンの〈AGF 「ブレンディ 」スティック アイス&ホットオレ ギフト〉からは、引き出し形BOXを採用した5千円タイプを新たに開発した。
この化粧箱は、スティックギフトの流入元である洋菓子ギフトを強く意識したデザインになっている。酒井主任は「一般的に洋菓子ギフトは大容量の5千円の価格帯を揃えており、洋菓子ギフトを買われる方は限定感や箱自体で選ばれている」と説明する。
配送費が高騰する中、コンパクト化を意識した大きさも特徴。9フレーバー計72本を詰め合わせて選ぶ楽しさも打ち出している。
一般的にスティックギフトはコーヒーカテゴリーをメーンとしたアソートになっているが、今回、フルーツティーのスティックだけを〈AGF 「ブレンディ 」スティック プレミアムティーギフト〉も新発売して「コーヒー以外でお客さまとの接点を新たにつくっていく」。
フルーツティーのスティックはAGFの独自技術で、搾りたてのよう果実感と果実感に負けない紅茶感を打ち出し「ホワイト&イエローピーチ」「アップル&ローズヒップ」「マスカット&エルダーフラワー」「ストロベリー&ブルーベリー」の4種を詰め合わせた。スティックのデザインは「あえて紅茶のシズルを入れずにフルーツ感を強調した」という。