弁当に詰められた世界

今さらながら最近、弁当づくりにハマっている。もともと料理好きというのもあるが、メタボ対策と節約を兼ねて内勤日限定で始めた。凝り始めるとつい人さまの中身も気になる。

▼さっそくネットやSNS、料理アプリで調べると、その情報量の多さに驚いた。料理研究家や企業発信のものもあるが、一般人による投稿がほとんど。日々の記録を写真で綴ったものから、ベテラン主婦の工夫や技を丁寧に解説したものもあり玉石混合。共通する秘訣は、“頑張り過ぎないこと”らしい。

▼ニチレイフーズの調査によると、弁当づくりで最も重視されるのが時短調理。身支度で忙殺される朝には、さほどコストは気にならないようだ。平均作成時間は全国平均18分05秒。市販や自家製の冷凍食品を上手に採り入れ、フライパンで炒める時間を短縮するためにレンチン技を活用。前の晩の残りものも味を変えて装い新たに登場する。

▼あの小さな空間に前菜、メーン、主食、デザートとフルコースが揃っている様子は圧巻だ。世間ではキャラ弁やメッセージ弁当が話題になりがちだが、各家庭の事情と技が集結した日常的な弁当こそ興味深く、何とも言い難い世界観を感じる。

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