地域とつながるビール造り SVBがクラフト新シリーズ第1弾

キリンビール傘下でクラフトビール事業を展開するスプリングバレーブルワリー(SVB)は、「FARM to SVB」シリーズ第1弾となるフルーツビールタイプ「広島県因島産はっさく」(ALC4%、酒税法上は発泡酒)を5日から東京・代官山のSVB東京で、数量限定で提供を開始した。

「FARM to SVB」は地域と東京のSVBをつなぐ取り組みのこと。SVBは今後のキーワードとして「多様性」「社会性」「地域」を掲げており、今年は「SOCIAL BREWERY」としての取り組みに注力。日本産ホップのブランド化、京都産原料100%ビールプロジェクト、新しい飲用スタイルの提案と共に各地と連携したビールづくりに取り組んでいる。

醸造家らが現地を訪れて見聞し、その素材を使ったビールの開発に生かす。島村宏子社長はこのようなやり方を「今後の新しいビール開発の、一つの手法」といい、研究を続けたいとする。

昨年のコラボ案件が契機で広島県産のはっさくを使うことになった。麦芽の甘味を残すことではっさくの苦みや酸味とのバランスを取っており「全体としてまとまりのある味になった」(古川淳一ヘッドブリュワー)という。

3日に開かれたシリーズ第1弾発表会に登壇した広島県の三田利江子東京事務所長は「このビールを飲んで、広島に行ってみたいと思う方が生まれれば有り難い」と期待を込める。また、はっさくを提供した因島青果の新藤元紀社長は「一番良いもので一番良いものを造ろう」との想いで「きれいなはっさくを選んだ」と話す。製造は900ℓほど。1か月程度の販売を見込んでいる。

「FARM to SVB」では7月、9月、11月にも新商品を展開予定。島村社長は「あっと驚く素材で作ることも画策中」と話している。

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