味の素では、疾病の発症リスクなどを評価する「アミノインデックス リスクスクリーニング(AIRS)」に、10年以内の脳卒中・心筋梗塞を合わせた発症リスクの評価を追加。4月から各地の医療機関で受診できるようになり、1回の採血でがん、脳卒中、心筋梗塞の三大疾病の発症リスクを評価することが可能になる。
健康な人の血液中のアミノ酸濃度バランスは一定に保たれているが、さまざまな疾病にかかるとそのバランスが変化する。AIRSではこれを正常値と比較することで、現在の健康状態や病気になる可能性を評価する。未病を可視化することで、疾病を発症する前の段階から生活や環境を改善するなど超早期の介入に役立つ。現在、人間ドックなど全国約1千400の施設で採用されている。
同社では11年から、がんのリスク評価検査としてAIRSを展開。17年からは糖尿病リスクや血中アミノ酸レベルの検査も加わった。さらに今回加わった検査項目により、現在がんである可能性、10年以内の脳卒中、心筋梗塞の発症リスクも評価可能となり、三大疾病のカバーを実現した。
新たな評価法は、滋賀県長浜市と京都大学大学院医学研究科が立ち上げた「ながはま0次予防コホート事業」の血液データ等を用いて技術開発した産官学民による連携の成果だ。同市の健康な住民1万人を対象に、20年以上にわたり実施されている疫学調査。同研究科付属ゲノム医学センターの松田文彦教授によれば、自己申告によらず客観的測定値を収集・蓄積している点などで画期的な予防医学研究として注目を集めているという。
19日の説明会で会見した味の素の福士博司専務執行役員アミノサイエンス事業本部長は、「三大疾病への対策が国民的な課題として関心が高まる中、弊社独自の技術によるリスクスクリーニングによって発症を防ぎ、1人でも多くの方の健康寿命延伸に貢献したい」と述べた。
また同社バイオファイン研究所の影山陽子氏は「未病を可視化し、病気にならずに元気に過ごそうということが言われている。アミノインデックスはまさに未病の段階から可視化する技術であり、年をとってからも元気に過ごすことに寄与できる。がん、糖尿病に加えて脳卒中、心筋梗塞と三大疾病を評価する技術は国内初と自負している」と強調した。


